展望不満も花とハードコースに充実の南アルプス南部縦走(8月1-4日山行記録(3))
赤石岳から聖岳までは、今回初めて歩く区間だ。小さな下り登りののち、大斜面のザレ(ガレっぽい?)場をトラバースしながら一気に下る。小赤石の登りは楽ではなかったが、逆周りでここを登るのもかなりきつそうだ。マークもしっかりついているし、ルートを見失うようなガスではなかったが、もう少し視界が悪くなると道を外すことがあってもおかしくないようなところもあった。下りは苦手でもあり、慎重に下る。ところどころ岩場のようなところもあるが、歩きにくくはない。
赤石岳からのザレた下り 大斜面のトラバース
天気がよければ印象も違うのだろうが、かなり疲労もでてきたこともあり、この下りは結構きつい印象が残った。そこそこいいペースで下ったとは思うが、それほどコースタイムを上回れていない。下りきったあたりで、左前方にうっすらと尾根が見える。どうもこれが馬ノ背のようだ。こんなに登るのか、と意外あるいはしんどいなぁと感じる部分もあったが、逆に下りよりこのくらいの緩やかな登りの方がいいかな?なんて前向きに思えた。馬の背は名の通り細い尾根道だが、危険なところはなかった。が、信州側は大きく崩落しているところもある。おそらく晴れて展望がよければすばらしいコースと思える。天気がうらめしい。ゴゼンタチバナなど少し花も咲いてはいるが、このコースで展望がないと黙々と歩くしかない。。。
左が馬ノ背 馬ノ背を行く 崩落したところも
12時44分百間平着。標識には百間洞山の家まで40分とある。残りは下りのはずだし、さすがに余裕がでた。腰を下ろして最後の休憩。天気がよければ赤石岳などが良く見えるんだろうなぁ。。。コーヒーでも沸かして飲みたい場所のようだ。できればもう少しゆっくりしたかったが、またポツポツしだしたこともあって、小屋へ向かう。が、ここからは結構長かった。徐々に雨も強まっていく。岩ごろごろの斜面を下るのは、雨で濡れて滑りそうで怖かった。途中、大きなザックを背負った若い女性とすれ違う。挨拶して、どこまで行くのか聞いたところ赤石避難小屋までとのこと。時間も13時を過ぎていたし(コースタイムでまだ2時間半はあるだろう)、無理をしない方がいいと忠告しようかとも思ったが、いいペースで行ければ4時頃には着けそうな時間なので、そのくらいの判断はできる人だろうと思って「雨がひどくならなければいいですね」とだけ言って分かれた。その後の激しい雨を考えると大変だったろうなぁ。
なかなか小屋が見えない。小屋が見えないのが精神的に辛い。小屋が見えると、あと5分のプレートがある。(が、ここから5分ではなかなか着かないだろう。) 右に大沢岳へのルートを分け、沢沿いに下ると13時34分、百間洞山の家に着いた。ホッ。雨が酷くなる前に着けて本当に良かった。
百間洞山の家
受付でチェックイン時に5人組のことを伝えておく。4時くらいになるのではと思いますと、予想をつけて。小屋には既に単独行の女性が一人。あとで聞いたのだが、今日は荒川小屋からとのこと。テント行なのだが、天気が悪くなる&名物のとんかつを食べるため今日は小屋泊まりらしい。しばらくは食堂をお借りして、コーヒー&パンなどで腹ごしらえ。コーヒーを沸かすくらいなら食堂で火を使うのもOKというのもうれしかった。雨は土砂降りといっていいくらい激しくなっていた。いや本当に早く着いてよかった。5人組みは大丈夫かなぁ? ちなみにきまま仙人は単独行のときは、昼食という長い休憩を取らない。短い休憩の中で、パンやバナナなどを何回にも分けて摂取。時間的にも自由だし、継続的にエネルギーを補給できる。また場所を考えたりも不要なのでいい。
管理人さんやスタッフさんらと談笑。小さなお子さんもいた。まさか登ってきたのかと聞いてみたらヘリで上がってきたようだ。アットホームな雰囲気の、感じのいいスタッフさんたちでした。一人男性客が到着、かなりしてもう一人、受付のところで時間がかかっているなぁと思っていたら、同行者の女性が大沢岳の少し北(たしかに地図には危険マークが)で信州側に滑落したとのこと。上からは見えない場所らしい。悪天候でヘリが飛ばせられないようで、管理人さんと同行者の一人が現場に向かった。こういうとき掛ける言葉は無い。自分自身も気をつけなければと改めて気を引き締める。
部屋に戻ってしばらく横に。4時前くらいに5人組みのリーダーの方が到着。しばらくして残り4人も。4時までに間に合うようにと、リーダーだけ先に来られたようだが、とんかつは4時までに着いた人だけらしい。(厳しい!) が何とか残り4人も4時までには到着。良かった(ほっ)。この日百間洞山の家に泊まった登山者は(おそらく)12人。5人組に仙人よりも早く着いていたテント山行の女性(以後 テント女史)、千枚小屋からの秋田マン、滑落者のパーティの2人(ひとりはご主人)、あと4時以降に着かれたと思われる年配のご夫婦。にきまま仙人。部屋は5,6人余裕のスペースに2人のみ。快適でした。
夕食は名物のとんかつ。大きくて揚げたて。なんでも1度の食事は8人ずつ声を掛け、揚げたてを食べてもらうのだそうだ。大根おろし(パック)とポン酢、カレーも用意されていて、おろしポン酢やカツカレーにしてもいただけるというGoodなメニュー。困ったのはそばがついていたこと。きまま仙人はそばアレルギーなので、これはダメ。残念だったが、同じテーブルに座った方に食べていただいた。食後はストーブの周り、その後はTVの天気予報を見ながら談笑。特に5人組リーダーとテント女史と仙人の3人は遅くまで会話で盛り上がった。5人組、秋田マン、テント女史、&きまま仙人の8人は、明日も同じコースで聖平泊。完全に仲間意識というか連帯感が生まれ、楽しかったです。疲労度、天気予報を考慮し、この時点で翌日の茶臼までの強硬は既に案から消えていた。
名物のとんかつ
天気予報では明日も曇り。今日のような天気だとすると、やはり早い目に小屋に着くようにしたい。昨日と違って着ている物もすっかり乾いて快適に眠りに着く。。。
切りがいいので、短いですが今日はここまで、続く。。。
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