時計コレクション (番外33) アンティーク掛時計
久々に時計コレクションネタを書きたい。今日紹介するのは、戸田如彦さん著の「アンティーク掛時計」。そのタイトルどおり、充実した掛時計のコレクションを写真付で解説してくれている。
この本は2001年2月にトンボ出版から発行された本だ。著者の戸田さんについてはよく知らないが、著者紹介には2500台におよぶ時計の蒐集と書かれている。価格は4,800円+税。
きまま仙人はどちらかというと腕時計中心であり、掛時計はあまり詳しくない。そのせいもあり、正直なところ正しい評価ができないところもあるのだが、著者のコレクションは非常に充実していると思う。それが一個人のコレクションというのがすごい。ある程度体系的に並べた上で、ひとつひとつについてはかなり自由な記述をしていると思う。入手した時のエピソードや製作者など解説というより、エッセイ的な内容。そういう意味では、順序はランダムだが、きまま仙人の時計コレクションの書き方に通じる部分もあるように思う。
八角時計や丸頭時計
掛時計としては外せない、八角時計やダルマ時計、スリーゲル(スリゲル)型、鳥などの形をしたものなど、和時計や珍品まで幅広く紹介されている。もう少し体系的だとより逆引きしやすいのだが、読んで参考にはなるが、調べ物にはちと使いにくい。最後には時計の形をした水滴や時計の書かれた錦絵まで。意外なのは少しカッコウ時計(鳩時計)が少ないかなとは思う。コストの関係か写真の白黒ページが半分くらいあるのも惜しい。
八角時計やスリゲル型、バイオリン型も
どちらかというと国産の方が多いか。掛時計にかんしていうと、明治から大正、昭和初期にかけて国産メーカーがこんなに多かったのかと改めて驚く。特に愛知県周辺は非常に多い。もちろんユンハンスや涙の雫(ハバナ)で有名なアンソニアなどドイツ製やアメリカ製なども記載されている。巻末には文字盤についている各社のトレードマーク(明治・大正期日本登録商標)が100以上も表にしてある。これは資料としても役立つ。
時計ごとに解説 各社のトレードマーク
きまま仙人は掛時計といっても1、2点しか所有していない。(まず保管場所に困るのが一番の理由。) そういう意味では、自分でコレクションする変わりに、こういう本で愉しんでいるとも言える。
掛時計も奥が深くて面白いとは思う。が、やっぱり腕時計の方が精巧さは格段に上で、きまま仙人的には好きかな。
とはいえ腕時計以上に、掛時計については簡単に手に入る資料が少ない。そういう意味では手頃な一冊だと思う。
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