ワシントンナショナルギャラリー展
先にも書いたが、持ってきている絵のバランスがいい。有名な作家マネ、モネ、ルノアール、ドガ、ロートレック、セザンヌ、ゴッホなどなど、それぞれ2点~5点ほどの作品(油彩)を揃え、カタログや教科書のような満足感。逆に新鮮さはちょっと足りなかったか。でもやっぱりいろいろ見ると、その都度新しい発見はある。
たとえばルノアールだと、人物画で胸像、全身、屋外に静物画、あと「ポン・ヌフ、パリ」というパリの賑やかな橋の風景画という5点。全身の「踊り子」はいかにもという作品で、やっぱり大勢の人だかりが。ちょっと面白かったのは「紙の上の印象派」という、版画や水彩、チョークを集めたコーナー。ルノアールでいうと、ペン画、リトグラフ、チョークなどがあり、油彩と同じモチーフの作品があり、違いと手法が違ってもやっぱりルノアールというところが楽しめた。
ポン・ヌフ、パリ
マネについても以前見た油彩の作品にもあるモリゾの胸像とまったく同じ構図のエッチングの作品などがあり、どの作家も版画も結構試していたんだ、なんて。
あと印象に残るのを数点あげると、やはりモネはインパクトがある。よく見る「日傘の女性」も良かったし、下の「ヴェトゥイユの画家の庭」など、大きな作品で距離をおいて見ると影の感じや全体の明るい色使いがすごく良かった。
ヴェトゥイユの画家の庭
あと女流画家の並びがちょっと新鮮。さすがにモリゾは知っていたが、メアリー・カサットが印象に残った。Webでは下の作品が紹介されているが、きまま仙人は「麦わら帽子の子ども」が気にいった。表情が何とも言えない。あと1点だけだったが、エヴァ・ゴンザレスというマネの弟子なんかも。
青いひじ掛け椅子の少女
ポスト印象派以降のコーナーではセザンヌの「『レヴェヌマン』紙を読む画家の父」がインパクトがあった。「赤いチョッキの少年」もセザンヌらしい。セザンヌは見るには退屈な絵も多いが、いいなぁと思う絵だった。
『レヴェヌマン』紙を読む画家の父
朝一で行ったので、開場と同時に入館したが、それでもなかなかゆっくりは見られない人の多さだった。印象派は離れて見たい絵が多いので、ひと通り見たあと、部屋の中央からゆっくりぐるっと見ていくのが心地いい。人が邪魔になるので、できればもう少し絵を上に掛けてもらいたい気もした。そうすると背の低い人には見づらいかなぁ。。。
それでも印象派好きには見ておくべき展覧会だと思う。
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