新緑のロングトレイル棒ノ折山、高水三山(6月4日山行記録)
梅雨に入ってしまったものの、週末の天気予報は晴れ。ここを逃すと、次は何日?という気がしたので、奥多摩あたりで軽く登れるところを検討。気になっていた高水三山をネットで調べていると、少し北側の棒ノ折山(棒ノ嶺)からの縦走が面白そう。。。ということで決定!
車か電車か? 夜出車中仮眠か朝出か? で迷ったが、結局慣れたパターンで深夜に移動。22時半くらいに出たら2時間ほどで御嶽玉堂美術館付近の駐車場に着いた。さすがに近い。
コースとコースタイムは以下です。
御嶽駅=JR=川井駅7:41=バス=上日向7:50-百軒茶屋登山口8:11-(途中道に迷って1時間強ロス)-10:37棒ノ折山10:55-黒山11:18-12:25岩茸石山12:43-高水山13:00-13:47惣岳山13:57-御嶽駅登山口14:45-14:51駐車場
○6月4日(土) 晴れ
はじめにJRとバスで上日向まで向かう。バスの時間があるので、いつもより遅い目。逆周りも考えたが、標高差を考えると棒ノ折から登る方が楽だ。小説でも持ってくればよかったが、時間を持てあまして早めに駅に向かう。1本早い電車で川井へ。駅でトイレを済ましたあと、バス停へ。ネットで調べてあったので問題なかったが、川井駅というバス停ながら、駅から数分離れているので要注意。(駅から坂道を下って411号を奥多摩方面に少し行った交差点(橋)のところにある。) 駅には時間を潰すものが何もない。橋から渓谷を眺めたりしてバスの時間を待つ。陽射しが既に強く、ここでメガネからサングラスに替えた。このチェンジが道迷いのきっかけになろうとは、、、
川井のバス停は交差点を右に行ったところ
当初予定していた電車でそれぞれ単独の男性4人(1人は登山者ではない、1人は川苔山らしい、あとの2人は不明)が来る。バスに乗ったのはきまま仙人を入れてたった5人。都区内を朝出ると、この時間はまだ早いのだろうか? 思ったより人が少ない。7時50分出発、はじめは舗装した林道を歩く。
20分ほどで百軒茶屋登山口。ここから川を渡っていよいよ山道に入る。沢沿いをワサビ田を見ながら登るが、初めから意外と急。樹林帯でサングラスを掛けていると薄暗い。メガネに戻そうかとも思ったが、面倒なのでそのままに。しばらく行くと道の先がワサビ田の柵で行き止まりになっているところが、右手に少し登るように登山道がついている。標識くらいあってもいいのに、と思いながら登っていく。朝露に濡れた草木が張り出しているところではズボンが濡れる。敢えてゆっくり目に登っていったので、快調ではあるが、やや湿度が高く蒸し暑い。
標高で600mを越えたあたりから道が不明瞭になりだす。たしかにここまで標識もテープなどのマークもほとんど無い。それでも道は続いているのでそのまま進む。軽い徒渉をしたあと、道が本当に不明瞭になった。ん~どこかで間違えたらしい。少し戻って確認するもそれらしい道は他に見つからない。地図を出して確認するも、5万分の1のエアリアマップでは、正直正確にはわからない。が、この時点で間違えたのはワサビ田の柵で右に折れたところに違いないと確信する。かなり下だ。
道が不明瞭になってきたあたり
苔むした感じがいい
ここで引き返せば被害(時間のロス)は少なかったのだが、不明瞭ながら道は続いている。また登山道でなくても、まだしばらくは何とか登れなくはない。登りきれれば、黒山付近の稜線の登山道に出るのは明らかなので、正直戻りたくなかった。こういうバリエーションルート的なコースは実は山屋としては面白い。もう少し登ってみることに。
戻れるように時々振り返って景色を記憶しながら、ルートを選んで登る。ただ、まだ100mは登らないといけないだろう。沢は登りにくかったので、右手の斜面を登り小さな尾根に取り付く。が、この尾根結構痩せ尾根で、左右とも転落すると(死にはしないが)ケガの危険性大。前方に大きな岩が、右を巻くか左を巻くか直登するか、、、どこも行こうと思えば行けそうだ。。。迷う。。。時間は百軒茶屋を出て既に1時間。ここで撤退を決めた。この岩の上がよく見えない。ここを登ると、登りきれなければ下るのが危険だと思ったからだ。残念だったが、無理をしてはいけない。慎重に戻った。
結局正しい登山道(ワサビ田び柵のところ)に戻ったのが、9時34分。サングラスをしていたから見えにくかったこともあるが、柵に隠れるように川の反対側に続く登山道があった。あたりを確認するが、こりゃ間違えた方が悪いなぁ、、、と反省。
ここから遅れを取り戻そうと押さえてもハイペースになる。急登をぐんぐん登る。もう汗びっしょり。何組かの登山者を追い抜く。おそらくきまま仙人よりも1本あとのバスで来た人たちだろう。今回失敗のひとつが速乾性のあまりよくないパンツを履いてきたこと。濡れたパンツで、お漏らししたみたいに股の部分に汗のあとがついてしまった。ちょっとかっこ悪いが、シャツで見えにくいように隠す。
今回ロングコースの割に、いつもの山行より出発が遅め、しかもタイムロスしたとあって、正直精神的にはかなりダメージがあった。時間がないとも思っていなかったし、焦っていたわけでもないが、山頂まで周りを楽しむ余裕はまったくなかった。10時37分、やっと棒ノ折山(棒ノ嶺:969m)到着。山頂は広くあずま屋もある。ベンチに腰掛けて展望を楽しむ。北から東方面の展望がすばらしい。ただ春の靄というか遠望はきかない。武甲山や大持山は見えるが、名のある山はあまり見えない点は残念ではある。山頂には既に大勢の登山者がいた。多くの登山者は名栗湖(有間ダム)の方から登ってきたのだろう。名栗湖からのルートも良さげだが、高水三山に縦走しようとすると便が悪い。
広い棒ノ折山山頂 武甲山や大持山
バナナとおにぎりでエネルギー補給。もっとゆっくりしたいところだが、遅れを取り戻すために、そうそうに出発。ここから黒山を経て岩茸石山までは、なかなかいいコースだ。新緑の尾根道で、適度なアップダウンがあるものの、全体的にはやや下りなので、体力的負担は少ない。惜しいのは、木々に遮られ、途中展望のいい場所がほとんどないというところか。静かだし、コースもしっかり整備されていて歩きやすかった。
快適な稜線の道 山ツツジがきれい
12時25分、岩茸石山(793m)到着。高水三山の最高峰だ。縦走路は静かだが、この山頂も登山者が多い。高水三山のコースは、初心者向けのコースのようで、登山者というよりハイカーという格好の人が多くなる。家族連れや10人以上の団体さんまでいる。北側が開けていて、やっと棒ノ折山や歩いてきたコースが俯瞰できた。ここから見るとちょっとした達成感は味わえる。ここでも景色を眺めながらバナナとパンでエネルギー補給。
歩いてきた稜線を振り返る
中央奥が棒ノ折山
ガイドブックに紹介されているコースでは、ここから惣岳山を経て御嶽駅に下るのだが、それでは高水山の頂上を踏めない。高水三山というからには高水山は外したくなかった。コースタイムで往復1時間ほどなのでピストンすることに。高水山までは、すれ違う人が多くて、上高地や尾瀬のようなこんにちは地獄(ずっとこんにちはを言い続けなければいけないような状況)が。。。
時間的には少し余裕ができたが、人の多いところを避けたくてペースも上がる。13時、高水山(759m)到着。山頂はほとんど展望がなく、正直今ひとつ。写真だけ撮って、早々に引き返した。帰路は岩茸石山を迂回するコースがあったので、山頂を通らず惣岳山へ。相変わらず、展望はきかないが、快適なルートだった。MTBで来ている人やトレランの人たちも。高水三山の高水山から御嶽までは、コース的にはトレランでもいいと思う。ただ、今日のように人が多いと少し走りにくいだろう。
13時47分惣岳山(756m)到着。ここにはちょっとした神社がある。終わりが見えてきた余裕から、ここでパンを食べて最後の休憩。さすがに少し足が疲れてきたかな。そこそこいいペースで来ているだけに足がつりそうな気配も。
惣岳山からは人がいなければ、走りたかったくらいだ。テーマである「流れるように下る。」を実践しようとすると、おのずと小走りのような状態に。やがて車の走る音など、下界の音が大きくなってきたかと思うと、家の屋根などが見えるようになってくる。ほどなく14時45分御嶽駅の東側に出る。そのまま駐車場まで直行。14時51分、長かった今回のコースを歩ききった。道に迷ったこともあるが、GPSの距離表示は18キロ以上。よく歩いたなぁ。
棒ノ折山、高水三山という2つの人気コースを一度にまわる贅沢な感じ。比較的近く、標高も低いが、十分縦走したという満足感を味わえるいいコースだった。
帰路、村山温泉 かたくりの湯(800円)で汗を流す。奥多摩の温泉は混んでいる上に高い(1000円~)という印象があるので、帰り道にある銭湯を探した。露天にジャグジ、ドライサウナ、CoQ10の薬湯など、まずまずの湯だった。水着があればプールも入れたようだ。嫌だったのは、子供が騒いでうるさかったことか。父親らしき人は恐縮していたが、なぜもっとちゃんと叱らないのか不思議だった。
おしまい
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