オメガ Cal.9300/9301
このムーブメントはCal.8500をベースにして作ったものと思ったが、そうではなくまったく一からクロノグラフ専用ムーブとして開発されたらしい。いくつかの大きな特徴がある。
①コーアクシャル脱進機:オメガは今までもクロノグラフも含めてコーアクシャル脱進機のムーブを出してきたが、かなり改良されているようだ。コーアクシャルが2層構造から3層構造になったことで、効率的なエネルギー伝達と安定した計時性能が実現されているらしい。
②シリコン製のヒゲゼンマイ:デ・ビルのCal.8611やブレゲにもあったが、何と言ってもこれは画期的。従来の合金のものに比べ、製造過程での品質のばらつきも出にくく、耐久性、安定性に優れる。しかも帯磁しないので、磁気による影響を受けにくい。このシリコン製ヒゲゼンマイの貢献が大きく、4年間保証がつくというオメガの自信を表している。
③フリースプラング・テンプ:フリースプラングといいながらチラネジを逆方向につけたような構造なのはちょっと残念。どうせならパッテックのようなスマートな形状にして欲しかった。機能的には緩急針よりもいいのだろうが、ちょっとマイナス。
④3時位置の分時同軸積算計:分時同軸積算計というと、IWC(12時位置)やパテック(6時位置)があるが、3時位置に置くことによって、バランスのいい横2つ目クロノとなっている。同軸にすることで、視認性があがり、使い方によっては(0時にスタート)第2時刻の表示にも使える。
⑤3層構造のコラムホイール:通常コラムホイールは2層だが、3層にしたとのこと。これは誤作動、衝撃からクロノグラフ機構を守る保護機能ということらしい。(詳細調査中)
⑥タイムゾーンファンクション機能:これは時計を止めずに時針だけを動かして時間調整ができる機能。クォーツにはたまにある。海外に行って時差調整するときは便利がいい。未確認だが、日付調整もこの機能(時針を2周回す)を使うのかもしれない。
⑦ツインバレルの60時間パワーリザーブ:「週末に着用していなくても、月曜の朝に時刻合わせをする必要がありません。」とのことだが、たしかに48~50時間だともう少し欲しいと思うことはある。欲をいえば72時間(3日)なのだろうが、他と比較するとかなりいい。
今回このcal.9300が搭載されたスピードマスターとシーマスタープラネットオーシャンクロノグラフを見ると、きまま仙人的にはスピードマスターの方がデザイン的には好きだ。が、2つ目になったとはいえスピマスは持っているので使用を考えるとデザインが被る。あとスピマスは伝統のある3つ目なので、おそらく賛否両論あるだろう。だから、、、買うとしたらシーマスタープラネットオーシャンクロノグラフの方かな。
ちなみにムーブとは関係ないが、シーマスタープラネットオーシャンクロノグラフの特徴に少しだけ触れておこう。何といっても600m防水に飽和潜水用のエスケープバルブ付き(きまま仙人には、いや大半の人には完全なオーバースペック)、にもかかわらずシースルーバック(これでなくっちゃ! 考えてよ、ブライトリングさん)。ダイバーズウォッチなので、当然逆回転防止ベゼル。これがセラミックスやリキッドメタルという高機能素材。高硬度で耐傷性・耐腐食性に優れるため、海水にも適しているとのこと。
シーマスタープラネットオーシャンクロノグラフ
面白いのは、夜光が2色(分針とベゼルの12時位置のマークが緑、時針やインデックスが青)に塗り分けられていて、時刻・経過時間が見やすくなっています。ダイバーウォッチの仕様としてよくできているなぁと感じます。(きまま仙人はダイビングの免許もないですし、するにしてもこういう高級時計はしないと思いますが。。。)
ただ、ちょっと大きい(45.5mm)のと、厚過ぎる(19.15mm)なぁ。
最後に基本情報を、
・振動数 : 28,800振動/時
・パワーリザーブ : 約60時間
・巻き上げ : 自動巻き(手巻き可)
・石数 : 54石
ちなみにCal.9301はロータとブリッジにオメガカラーともいうべき赤金メッキがされている違いだけのようだ。
いや、久しぶりに語れるムーブだと思う。早く見たい。
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コメント
ご無沙汰です。
私も非常に興味を持っているこのニュープラネットオーシャン、17日からの数日間はミッドタウンで実物が見られるので見て来ようと思っています。
もっとも私は仙人さんのようにセレブではないので、興味の対象はクロノではなくて安い3針・SSブレスのオレンジベゼルモデルですが(笑)。
投稿: ビモータ | 2011年6月15日 (水) 20時05分
お久しぶりです。
たしかにミッドタウンで見られそうですね。いい情報をありがとうございます。時間が取れたら覗いてみたいと思います。22日からの伊勢丹には行くつもりでした。
これくらいの価格だと、がんばったらぎりぎり手が届くだけに、よけいに悩ましいですね。
投稿: きまま仙人 | 2011年6月15日 (水) 22時38分