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2011年4月21日 (木)

ファントム・ピークス 北林一光著

北林一光氏のファントム・ピークスを読んだ。この本を読んだ多くの読者がそうだったのではないか?と思うのだが、きまま仙人も「宮部みゆき氏絶賛! 大重版」の帯につられて購入した。まぁエンターテイメントとして、面白く一気に読めたが、ありがちな展開でもあり、小説としては”絶賛”はどうかなという気もする。

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この小説は若干ミステリー仕立てにもなっているが、そこが大きなポイントではないので、以下ネタばらしになることも書くので、未読の方で気になる方は読まないでください。

まず北アルプスに巨大なヒグマという設定はいいと思う。最終的に解明されるその理由や、続編を製作可能な設定など、多少無理はあってもエンターテイメントとして許される範囲だと思う。が、ヒグマならなぜ北海道から専門家を呼ばないのか? ひとり目の関係者(小日向美樹)からほとんどヒグマが逃げ出した重要な事実がわかってしまう点など、細かい点は気になるところがいくつかはある。

場所は北アルプス常念岳、蝶ヶ岳の登山口に当たる村。きまま仙人もかつて、一の沢から往復で常念岳、一の沢から登り、常念から蝶ヶ岳をまわって三股へと、2度ほどこの付近を歩いたことはある。実際の舞台はもう少し麓なので、直接その場所の記憶があるわけではないが、エリア的には親しみがもてた。

解説で黒沢清氏が書いているように、作者の北林さんは映画関係の仕事をしていたキャリアを持ち、この作品は多分に映画、映像を意識した作品に思える。映像的には残虐なシーンを入れたかったのかもしれないが、小説としては、後半の何人かの被害者は要らなかったように思う。また罠を確認しているときの猟友会の人が殺される部分は、そんな失態はないだろうと思ってしまう。対応策が甘すぎる点が引っかかる。

そんな中で、ストーリーを盛り上げているのが、主人公周平と凛子のキャラクタだろう。なかなか好感の持てるいいキャラで、好きになってしまう。あとはラストの周平とクマの直接対決的なシーンとその展開は見事だった。伏線がちゃんと張られていたので、何となく想像できた展開ではあるものの、なかなかいい。このシーンも映画向きだ。山屋のきまま仙人にはイメージしやすかったが、山に詳しくない人にもわかるように書き過ぎていたかもしれない。

ストーリーとしては全体に有りがちと言えば有りがちで、ミステリー的には何も凝ってはいない。それでも迫力ある映像で映画化したら、なかなか面白い映画になるのではないかと思う。映画の方が見てみたいような(逆に小説としては読む必要のないような)本だったと思う。敢えて厳しく書いたが、普通に楽しく、面白く読める本ではある。

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