« あしたのジョー | トップページ | やっぱりきついなぁ~ »

2011年2月16日 (水)

時計コレクション (70) LIP Mach2000 Chronograph (ETA251.272)

今回記念すべき70回目に紹介するのは、1月の2011世界のアンティークウオッチ市で購入したクォーツ時計だ。アンティークウオッチ市でクォーツ? そうなんです。 LIP Mach2000 Chronograph。デザインや仕様的にはほとんど変わっていないが、型落ちしたモデル(ref.1808502)のようで半額以下だったので、思わず買ってしまった。

もともと休日にちょっと着けるおしゃれなクォーツでラバーベルトものが一本あってもいいな、と思っていたところなので、手頃なものを探していたといえば探していた。

70_lipmach2000_01 70_lipmach2000_02

 

 

 

 

この時計はご存知のように、1970年代に人気のあったシリーズの復刻版だ。LIPのMach2000というと、アンティーク好きの中でもファンが多い。デザインを手がけたのが、デザイナーのロジェ・タロン(Roger Tallon)という人で、フランスの新幹線TGVの車輛のデザインやカメラ、椅子などの工業デザインをする有名なクリエータだ。

オリジナルは1974年に誕生(デザインは73年?)。「2000年になっても斬新でありつづける時計」をコンセプトに作られたとのこと。(マッハについては音速の単位であるが、由来は不明。) そのコンセプト通り、今もなお新鮮さを失わないポップなデザインだと思う。「D」の文字を左右反転させた非対称のブラックケースに黄青赤の鮮やかな球形のプッシュボタンが、なんともおしゃれでかわいい。70年代というと、けっこう奇抜なデザインが多い(それはそれで面白いのだが、)が、今でも通用するものは少ないのではないか。Mach2000はそういう意味でも時計史に残る一本だと思う。ニューヨーク近代美術館のパーマネントコレクションにも選定されたモデルです。

70_lipmach2000_04

 

 今でも通用するデザイン

 

 

まずオリジナルとの比較をしておこう。下の写真がそうだ。(きまま仙人の所有品ではない。) オリジナルのムーブメントはバルジュー(Valjoux)7734が使われていた。当然機械式、手巻きクロノグラフ。それが2005年?にリバイバル・シリーズとしてクォーツ(ETA 251.272)で復刻された。

70_lipmach2000_08

  

 オリジナルのモデル

 

 

デザイン的にはインダイアルの位置は違うが、かなりオリジナルに近い。ケースサイズが若干小さくなっているようだ。(47x40mm ⇒ 42x40mm) インダイアルはオリジナルが3時位置に30分積算計、9時位置にスモセコ(永久秒針)、軸が中心水平線に3つ並ぶ。一方復刻版は、10時位置には30分積算計、2時位置には1/10秒計。インダイヤルが少し上に寄った配置になっている。このあたりは同じ配置のムーブがなかったのか、敢えてすぐに見て区別が付くように変えたのか? きまま仙人は、バランスのよさはオリジナルの方がいいと思う。

この復刻版のクォーツムーブメント、ETA 251.272はどうも元々は3つ目のようで、6時位置にスモセコがあるようだ。それを使っていないので、この時計には永久秒針がない。この点は使う上ではちょっと不便だ。 もうちょっと適当なクォーツムーブはなかったのだろうか? ちなみにクォーツだが22石という刻印がある。ETAのハウスマークもちゃんと刻印されていた。また、1/10秒計の目盛りは0.05秒だが、0.1秒単位にしか止まることはない。まぁこのあたりは大目に見ていいと思う。

70_lipmach2000_03

 

 クオーツムーブメント

 

 

文字盤はケースと同じ黒で、バーインデックスにタキメータが白でプリントされている。センターのクロノグラフ針と右側(2時位置の1/10秒計、オリジナルは3時位置の分積算計)のインダイヤルのみ黄色。このあたりはオリジナル通り。どちらも6時位置に日付表示が付くが、オリジナルが白地に赤字表示が多い(黒字のものも存在する。)のに対して、復刻版は白地に黒字表示だ。このあたりは微妙に違う。

きまま仙人が購入したのはケースがアルミニウム製、3気圧防水。現在のモデルはケースがステン、5気圧防水という記述を見たが、明確には確認していない。定価は税込み65,940円。オリジナルで程度のいいものは少なく(特にベルトは傷みやすかったらしい。)、きれいなものは結構な高値がついている。

70_lipmach2000_0670_lipmach2000_07 

 

 

 

  クオーツなので薄い  バックルも当時のものに近い 

LIP社はフランスのメーカー。(この時計も箱にはMade in Frenchの文字が。) その歴史は古く、1807年にエマニエル・リップマン氏がフランスのブザンソンにてストップウォッチを作ったのが初めとされている。1810年にナポレオン一世に懐中時計が贈られたというのも有名なエピソードのひとつ。今もなおフランスを代表する時計ブランドです。

バルジュー7734は悪い機械ではないものの、高級機用のムーブではない。この時計を楽しむのであれば、クォーツで安価にしてもいいような気がする。ただインダイヤルの機能は同じにして欲しかった。クォーツなので時刻あわせを頻繁にするわけではないが、球形のリューズはちょっと回しにくいのが、たまにキズか?

クォーツといえど、こういう時計は手元においてガンガン使いたい。

|

« あしたのジョー | トップページ | やっぱりきついなぁ~ »

コメント

はじめまして。
LIP Mach2000 Chronographを購入したのですが、取説の無い商品を購入した為時刻の合わせ方など使用方法がいまいち分かりません(^-^;
よろしければ、教えて下さい。
急な質問染みたコメント申し訳ありません。
お願いします。

投稿: みく | 2011年3月31日 (木) 11時56分

このタイプは、リューズ(きまま仙人のだと真ん中の青い奴)が2段引きで、2段引いた状態で時刻合わせです。ちょっとわかりにくいですが、1段引いた状態だと短針だけを動かすことができます。日付合わせは少し面倒ですが、短針だけを2周回して日付送りをします。クロノグラフは上(黄)ボタンでスタート/ストップ、下(赤)ボタンでスプリット/リセットになります。
リューズを1段、2段引いた状態で黄、赤ボタンを押すと、インダイヤルやセンタークロノ針を調整できます。これは狂った時しか使う必要がないので、必要なら試してみてください。

投稿: きまま仙人 | 2011年3月31日 (木) 23時56分

返答ありがとうございました
とても分かりやすい説明で設定出来ました
いきなりの質問染みたコメントに対応下さりありがとうございます。

投稿: みく | 2011年4月 1日 (金) 01時24分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 時計コレクション (70) LIP Mach2000 Chronograph (ETA251.272):

« あしたのジョー | トップページ | やっぱりきついなぁ~ »