時計コレクション (番外25) Longines Watches John Goldberger著
29.6 x 21.7 cm という大きなサイズで、厚さも3 cmくらいあるハードカバー本という豪華なつくりだ。日本のアマゾンでも買えることがわかったので、ロンジンファンとしては資料としても是非欲しいと思い購入した。もちろん英語版(日本語版はない)。2007年に購入した記録が残っていたが、当時は送料を含めると1万円を越えた。定価は99ドル、いくら豪華とはいえ、ロンジンの時計同様かなり高い本だ。現在は円高も有り、8千円台の前半の値段が付いている。
著者はJohn Goldberger、きまま仙人はこの人のことはよく知らない。(ちなみに調べもしていない。) 英語版は序論部分をGiampiero Negrettiという人が書いている。もちろんこの人も知らない。出版社はDamiani、2006年12月に発刊されている。
豪華な一冊
内容は正直言って人によって評価が分かれるだろう。写真は綺麗で大きく、非常に見やすくきれいでいい。ここまでの時計をそろえるとなるとどれだけの費用がかかるかと考えると、写真集としても非常にいい。クロノグラフはもちろん懐中時計、ミリタリー系やパイロットウォッチも掲載されている。ロンジンの黄金期ともいえる1930年代から1950年代あたりの製品は本当にすばらしい。年代物の貴重な時計が多いのもうれしい。
構成は初めの6ページほどが「Legendary Watches」としてブランドの歴史が書かれている。以降は右ページに大写しの写真、左ページは6コマの細部やムーブメント、裏蓋などの写真と短いコメントで構成されている。見やすいし、特に右ページの大写しの写真がいい。きまま仙人は、ロンジンのクロノグラフ以外の部分の知見に乏しいが、資料的にも非常に価値があると思う。ここまではいい点。
何が微妙かというと、まず写真に掲載されている個々の腕時計の程度。たしかに綺麗なものが多いが、たとえば13ZNや30CHならもっとコンディションのいいものがあるだろう?と思ってしまうものもある。きまま仙人が所有している30CHの方がずっといい(と思うものがある。ちなみにきまま仙人の30CHは某時計本に掲載されている。)。 希少性などの掲載理由があるなら、その説明が必要だと思うのだがそれもあまり詳しくない。 ロンジンのクロノグラフといえば、金梨地仕上げの13ZN、もっと程度のいいものをいくつか掲載して欲しかったと思うのだが、、、
2つ目として写真集としてはいいのだが、期待に反して解説的な文章が少ない。もっと歴史的エピソードや技術的解説が多くあったほうがうれしい。ロンジンはシリアルナンバーから製造年が特定できるのに、シリアルナンバー表も付いていなかったのは、逆に驚きだった。
でもまぁ、ロンジンファンには持っていて悪くない一冊だ。
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