ジム・トンプソンの家
ご存知の方も多いかと思うが、ジム・トンプソンとは、タイシルクを再興し、シルク王として財をなした人物。最後はマレーシアで謎の失踪をしており、いまだに発見されておらず、そのことも彼を有名にしている。ジム・トンプソンはまた、仏像や家具、食器など、東南アジアの骨董の収集家としても有名である。「ジム・トンプソンの家」には彼が集めた国宝級のものが、住んでいた当時と同じように展示されている。彼の収集は、タイの貴重な仏像などを海外に流出するのを防いだとも言われている。
チーク材でできた古いタイの家
家はチーク材を使った木造高床式の家で、釘を一本も使わず作られているらしい。もともとアユタヤなどから運んだ6軒の家を集めて造られたらしい。昔の建築法で復元したらしいが、戦前は建築家だったこともあり、随所に彼のアイデアが生かされている。玄関や浴室前の脱衣部屋などの床には大理石を使っていたり、2階へは西洋式の階段を屋内に作ったり、客室の隣に客用トイレを作ったりと、いろんな工夫がされているところは面白い。
バルコニー側から
仏教系の美術品個々については、残念ながらきまま仙人にはその価値がわからないものが多い。が、収集したものやその配置を見ていると、彼のセンスの良さのようなものがひしひしと伝わってくる。例えば2階のリビングから一段下がったテラス、庭を見下ろし、その奥には商品を積み出した運河が見える感じなどはすごくいい。そのリビングは2つの家をつないだ部分に作ったので、潰した縦型の窓が4つあるが、それを飾り棚(床?)のような風にして、まだサイズがぴったりな細縦長の仏像が掛けてある。ソファの横には天上のシャンデリアと別に4つの置きあかり(電灯)があるが、下細の太鼓を利用して作ったもの。このセンスもいい。寝室や客間に飾ってあるものもいい。中には男の子用の猫の形の尿瓶や女の子用のカエルの形をしたオマルなどもあり、こういうのも面白い。陶器ではアユタヤの日本人町で発見されたという有田焼の鉢(割れているものを修復してあった。)などもあった。
もうひとつ印象に残るものとして、当時シルクに図柄をプリントした大きな版木を壁に掛けてあった(写真参照)。上部にメジャーが付いていて、鯉や海老などの図柄だが、装飾品としてもなかなかいい。こういうセンスがすばらしいと思った。庭も広くはないが悪くない。
シルクにプリントした版木
こういうところは、興味のある人にはすごく面白いと思う。そうでない人には若干つまらないのかも知れないが。。。
その後運河沿いを歩いてSIAM方面へ。運河は綺麗ではないものの、運河沿いを歩くのは楽しかった。できれば、道だけでももう少し小奇麗にすればいいのに。ごみなども多く本当にきたない。水上バスのような船も通っていてこちらも乗ってみたかったのだが、行き先が違うので残念ながらパス。
運河沿いの道を歩く 未だ復旧中のところも
SIAMからウインドウショッピングしながら伊勢丹のあるワールドセンターへ。赤シャツ組の暴動の影響からどう復旧したのか見たかったのだが、以前モノレールから戦場か廃墟のように見えたあたりが、何事もなかったかのように復旧していた。が、一部はいまだに復旧工事をしている部分は残っていた。まぁ知らなかったら、ただ工事中としか思わないほどだが。
朝ジョグしていたこともあり、観光でいろいろ歩き回る意欲に乏しく、あとは伊勢丹でお土産などを物色してバンコクの休日をのんびり楽しんだ。
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