迫力の槍穂を眺めながらの稜線歩き、笠ヶ岳(9月18-19日山行記録(1))
3連休、どこに行くのか迷った末に北アルプスの笠ヶ岳に決めたことは以前にも書いた。重要な要素のひとつとして天気、特に土曜日の天気予報は快晴だったのに、残念ながら上部はガスで展望なし。が、代わりに日曜日は予想外?に、とてもいい晴に恵まれた。
まず、コースとコースタイムは以下。
2010年9月18日(曇一時晴、上部はガス) 中尾高原口駐車場5:50-槍見館登山口5:56-穴滝6:41-錫杖分岐7:25-クリヤの頭10:04-雷鳥岩10:33-12:31笠ヶ岳12:52-13:08笠ヶ岳山荘(小屋泊)
2010年9月19日(晴) 笠ヶ岳山荘4:40-4:53笠ヶ岳5:54-6:06笠ヶ岳山荘6:39-笠新道分岐7:35-抜戸岳7:45-秩父平8:26-大ノマ乗越9:26-9:54弓折岳10:15-双六分岐10:21-10:53鏡平(鏡池)11:12-シシウドヶ原11:41-12:26秩父沢12:49-わさび平小屋13:32-笠新道分岐13:40-新穂高温泉B.T.14:19-14:43中尾高原口駐車
弓折岳からの槍ヶ岳
17日金曜、天気予報を調べていると日曜日の北アルプス北部の天気は不安な感じ。早月尾根からの剣岳は諦め、昼休みに急遽検討しなおし。今年立て替えられたという徳本(とくごう)峠小屋(要予約)に泊まって霞沢岳に行こうかと電話してみると、一杯で予約取れず。やはり北アルプス(天気予報から南部)に行きたかったので、迷った末にクリア谷から笠ヶ岳に登ることにした。このコースはあまり知られていないが、標高差1900mもあるタフなコースで、年によってはほとんど整備がされてなく、かなりの悪路らしい。下りに使う人はいるが、登る人は少ないようだ。まぁ芦別ほどではないだろうと、タカをくくって決定。
深夜1時過ぎに新穂高温泉の深山荘の駐車場に着くと、何と既に満車とのこと。代わりに鍋平の駐車場を紹介された。鍋平だと3キロ以上も遠くなる。諦めて、登山口の槍見館の近くに停められる場所がないか探してみることに。。。。ありました。(ホッ!) 中尾高原口バス停近くの駐車場に空きがありました。とりあえず朝まで仮眠。
○9月18日(土)曇一時晴れ、上部はガスで展望なし
5時起床、5時50分出発。まだ何となく薄暗い。登山口を案内する標識のようなものがないので、少し不安だったが、まずは槍見館に向かう。槍見館の入口をさらに少し行くと、登山口がある。登山届けを出していざ出発。
槍見館 穴滝?
木々に覆われてうっそうとした山道を登っていく、まずまずの斜度、薄暗いのが不安になる。標高差のあるロングコースなので、意図的にゆっくり目に一歩一歩進んだ。しばらく行くと、後ろから30代?くらいの男性ひとりが追い抜いていく。(その後しばらくは、背中を時々見かけたが、ついに彼に追いつくことはなかった。きまま仙人もそんなに遅くはなかったはずだが、、、) このルートを登るのがひとりではないことでほっと安堵する。その後しばらくは静かな山に浸る。
小一時間ほど登るとクリヤ谷に沿うようになり、ほどなく小さな滝に。標識も何もなかったが、おそらく穴滝だと思われる。さらに何度か川を徒渉しながら登っていく。ほとんどは問題ないのだが2ヶ所ほどストックを出して、慎重に渡った。やや水量があったのか、水没している岩も使って渡る。少し靴が濡れそうな深さだが、何とか無事渡れた。エアリアマップにも書いてあったが、これ以上水量が多いと、渡るのが難しくなるだろう。道は整備がされたのか、ネットで書かれていたほど荒れてはいなかった。マーキングも多くはないが、付いている。ぼーっとしていると間違えそうかな?というところが2,3ヶ所あったが、注意していれば迷うようなところもない。ただ苔むした岩が滑りやすいところがあり少し気を使う。谷の景観を楽しみながら登る。
さらに登っていくと、左手前方に錫杖岳の岩峰が見える。ほれぼれする絶壁だ。(屏風岩?かも) 徐々に明るくなり、時折日差しも射す。しばらく行くと、上から3人組が下ってきた。挨拶をすると、西側の獣道に入っていく? どこに行くのか訪ねると、錫杖に行くとのこと。地図にはそういうルートは載っていないし、分岐の標識も何もないが、ルートはあるらしい。一見普通の装備(岩登りの装備ではなかった。)だったし、あの岩壁を見ると登ってみたくなる山だった。ちなみに彼ら3人は、もう少し上の岩陰にテントを張って泊まっていたようだ。
錫杖岳の岩峰 雷鳥岩
このあたりは比較的なだらかだ。途中休憩しておにぎりでエネルギー補給。ここから再び急な登りとなり、クリヤの頭までがなかなか長くて辛い登りだった。登るにつれ木々は低くなるが、ガスがかかり上部はよく見えなかった。GPSの標高だけを頼りにひたすら登る。このコースは長い割りに、名前の付いた場所が少ないので、精神的な辛さがある。一瞬晴れ間がでて穂高が姿を現す。やった!穂高だ!とは思うものの、ゆっくり見る余裕もない。10時を過ぎ、やっと登りきる? ここも標識はないが、クリヤの頭なのだろう。道はなだらかに峰を巻くように進み、ガスがなければ展望も見えそうな感じだ。
一瞬穂高が見えた
このあたりから下りの登山者とすれ違うようになる。やはり通る人は結構いるのだ。小さなアップダウンを進むと10時33分、雷鳥岩に到着。ここも標識はないが、ネットで写真も見た記憶があるし、間違いないだろう。いいペースでは来ているが、ここからまだコースタイム2時30分、標高差にしても400m以上ある。(既に1500m近く登ったというのに、、、) しばらくは緩やかに登る。ガスが晴れていれば笠が望めるのだろうか? 想像しながら一歩一歩歩く。このあたりから心臓も足の筋肉も徐々に悲鳴をあげ始める。
小ピークを幾つか巻くように進み、いよいよ最後の笠への登りに取り付く。山頂が見えないのが辛い。歩く上での支障はないが、ガスで真っ白、視界は効かない。ガレ場が増える。チングルマの種子やヤマハハコのオレンジ色に枯れたもの、ミヤマダイコンソウの残骸?など、このあたりがお花畑であったことがわかる。北アルプスの短い夏はもう終わったのだなぁ、何て考えながらも花を探す。あった、アオノツガザクラがまだ咲いていた。
クリヤの頭を超えるとなだらかに 笠への最後の登り
最後は足がつりそうになってきた。何度も立ち止まっては小休止。ゆっくりだが、確実に登った。あっ近くに人の声?が聞こえる。山頂は近い。最期ひと踏ん張りして、12時31分13年ぶりの笠ヶ岳山頂到着。いや~、本当にほっとした。ガスで展望はまったくなかったが、山頂には他の登山者も数名いて、安心させてくれた。
山頂でバナナを食べ、ちょっとゆっくりしたものの、ガスが晴れる気配もないので、そのまま笠ヶ岳山荘に下った。13時8分、山荘到着。3連休ということで、今夜は布団1枚に2名という混みようらしい。覚悟はしていたが、狭い。。。(ちなみに夕食は4バッチ)
まずはチャイ(インスタント)を沸かしてパンで遅い昼食。その後は談話室でゆっくり。結局夕方もガスは晴れず。部屋は一人で来ている登山者がほとんどで、山の話で盛り上がる。夕食後はすることもないので、明日の天候を期待しつつ8時には就寝z z z
山頂は三角点のみ 笠ヶ岳山荘の夕食
その2に続く
| 固定リンク
コメント