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2010年9月 7日 (火)

天候急変、ガスと強風の大雪山(赤岳・白雲岳・黒岳)縦走(8月6日山行記録(2))

銀泉台から黒岳までの大雪山縦走の山行記録の続き。朝は青空の好天も上部は一転。ガスと強風に雪渓で道を見失い。。。。

その1はこちら

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   クモイリンドウ   イワブクロ    イワヒゲ

ここからはなだらかな登山道を行く。見通しは聞かないが、登山道が見えないような状況ではないので歩くのには支障はない。風も強いが普通には歩ける。足元しか見るところがないので、花を探しながら進む。クモイリンドウやイワブクロなどが少しでも元気をくれる。途中5人くらいの家族連れとすれ違う。北海岳の方から来たとのこと、道の状況を聞いてみるが、風は強いが問題はないだろうとのことでひと安心。緑岳分岐で方向を確認して白雲岳方面に向かう。この分岐が小泉岳なのだが、標識は見当たらなかった。(ガスで見落としたのかも) 少し下るとあっけなく9時29分白雲岳分岐到着。2003年に姿見から旭岳、トムラウシと縦走したときも雨天で白雲岳はパスしたが、今回も(迷うこともなく)パス。逆向きだったとはいえ、北海岳までは一度通ったことのあるルート。正直少しほっとした。あとは北海岳からの稜線の風の強さが不安ではあったが。。。しかしここに落とし穴が!

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 なだらかなルート
 視界は利かない

 

 

しばらく行くと雪渓に出た。少し雪渓を登るとルートを示すポールが見えた。このとき視界は10mもなかっただろう。が、周りを慎重に見渡しても次の目印がどこにも見えない。この天気で登山者が少ないせいか、踏み跡でも明確には判断できない(どちらにもうっすらと踏み跡があった。)。 方向的に左側はないので、真っ直ぐ登りか、右方向にトラバース的に行くか。迷った。まず踏み跡の濃いような気がした前へ登ってみることに。詳細は別途書くが、この先ルートを示すマークなどは発見できなかったものの、獣道のようなところの踏み跡を見つけ、さらに奥へ。結局小一時間迷ってしまった。(帰宅後GPSデータを見ると白雲岳の山頂近くまで登っている。) 結局は引き返してポールのところから右に行ってルートを示すマークを発見するのだが、引き返すのが遅すぎた。事故にならなかったことが幸いだが、大きな判断ミスだった。

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   この雪渓は視界もなく、踏み跡も不明瞭   引き返した岩場

雪渓を迂回するような形でルートを行き、北海平を横切る。登山道は明確だったので北海平で迷う不安はなかったが、視界のない中で数メートル先までの真っ直ぐな登山道だけを見て歩くのは、自ずと焦りからかペースが上がってしまった。最後は北海岳の登り返し。とはいえそう厳しくはない。11時14分無事北海岳着。予想通り風はかなり強い。当然御釜はまったく見えないし、登山者も誰もいない。少し休憩を入れたいところだったが、落ち着けないので先を急ぐ。今思うと、道に迷って以降、かなりの緊張感を持って行動していた気がする。疲れたとか考える余裕もなく、無事下山することのみ考えていた。ただ天候から水分補給の必要は少なかったが、歩行中ゼリー食や飴でエネルギーの補給は怠らなかった。

北海岳からはいったん川まで下って石室、黒岳へと登り返す。しばらく行くと、少し下ってコースは吹きざらしの稜線から多少風をよけられるようになる。風も少し弱くなったのかもしれない。ここでショートブレイク。さらに行くと単独の若い女性を追い越す。昨夜黒岳石室泊で、今日は白雲岳往復で層雲峡へ下山するらしい。お互い久々の登山者で安心したのか、しばらく雑談。朝、銀泉台からの登りも快晴だったが、石室周辺も7時頃は快晴で御釜もきれいに見えていたらしい。きまま仙人は縦走しか頭になかったが、石室で一泊するという計画もあったかもしれない。あそこで彼女と話ができて安心したというか、気持ちに余裕がでた。

下るにつれいろいろな花が見られるようになる。写真を撮る余裕も。ミヤマリンドウ、イワヒゲ、エゾヒメクワガタなど。ガスの中幽玄の世界。時折、登山者もすれ違ったり、休憩している人を追い越したり。層雲峡からロープウェイで登ってきている人達だ。また雪渓が、ん??どっちだ?またまた判断に迷う。しかし今度は先のマークを無事見つけることができてひと安心。

視界が十分でなく遠望が効かないので、距離感がつかみずらい。いいペースで歩いているつもりなのだが、距離が長く感じる。やっと川(徒渉点)にでた。慎重に渡る。エアリアマップに徒渉注意と書かれていたのでひと安心、、、と思いきや再び川が。結構幅もあり、水量も多い、落ちると全身ずぶ濡れになる川だ。ここを徒渉するの?と周囲を見渡すが、ここ以外に渡れそうな個所もない。ここはストックがないとあの水量だと危険かもしれない。再度慎重に渡る。

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この徒渉はちょっとスリリング

 

 

ここからは快適だった。石室まで緩やかに登り返し、12時06分石室到着。小屋の中を覗いてみるとスタッフの方親切に話しかけてくれて、しばし談笑。小屋の前には人も多く、仙人もザックを下ろしてパンでエネルギー補給。ここから黒岳まで登り返すと後は下るのみ。黒岳の山頂からも展望はまったくなかった。がっくし。

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 黒岳石室

 

 

さすがに黒岳は観光地。黒岳まではこの天気でも多くの登山者が登ってくる。意外と中国語が聞かれるのに驚く。山の天気とは面白いもので、黒岳を越えると下るにつれてガス帯から抜け、視界も良くなり層雲峡などが見下ろせるようになってくる。途中で雨具を脱いだ。きまま仙人は下りだが、リフト乗り場(終点)から黒岳山頂までは結構タフな登りだ。観光気分でロープウェイであがってくる人達にはかなりきついだろう。しかしダイセツトリカブト、チシマノキンバイソウ、アザミ、、、、など花は多い。

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  エゾヒメクワガタ   チシマノキンバイソウ  タカネトウウチソウ

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   ロープウェイ、リフトも見える    層雲峡が見下ろせる

12時20分七合目のリフト乗り場到着。売店があり、切符は売店で買う。中に入り値段を聞くと400円。ロープウェイの乗り場は見えているのに(コースタイムは20分)。高いなぁ~やっぱり歩くは、というと、縦走してきた登山者だとわかったからか、ちょっと食べていく?といってブルーベリーとナスのような形の冷えたミニトマトをいただいた。そうそう絵葉書も1枚。ミニトマトは冷えていて美味しかった。感謝、感謝です。

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 2階が売店

 

 

リフト区間はリフトの直下や真横を歩くわけではないので、普通の登山道として下ることができる。が、コースタイム20分というほど近くはなかった。そこそこのペースで降りたつもりなのだが、(ロープウェイ黒岳駅まで)28分もかかってしまった。ロープウェイ黒岳駅直前ではシマリスと出会う。すぐに木の間に隠れてしまう。シマリスはあまり人を警戒しないのを知っているので、出てこないかしばらく呼んでみたがダメだった。最後はすっごく長く感じた。13時55分ロープウェイ黒岳駅到着。ホッ! 黒岳駅でパンを食べてちょっとゆっくりしてからロープウェイで下山した。

朝の快晴から一転、ガスと強風の悪天候となり、雪渓での大きなミスで反省の多い山行となってしまった。だが結果論ではあるが、ツェルト、地図、コンパス、食料、熊鈴など最低限の装備と一応元に戻れる範囲内(やや過信か?)のもとでの行動が、時間のロスはあったものの事なきを得た大きな理由だと考える。今回の反省を元に安全な登山を心がけたい。

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