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2010年8月29日 (日)

悪路に大苦戦も尖峰を目指す稜線歩きは格別、夕張山系の最高峰芦別岳(8月4日山行記録(2))

8月4日芦別岳山行記録その2

その1はこちら
その3はこちら

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 大雪、十勝の山々

 

 

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 芦別岳の尖峰

 

 

 

ユーフレ小屋分岐からは初めて歩く道なので、少しは歩きやすくなってくれないかと思いきや、荒れた道は相変わらず。それでもちゃんと探すとテープなどでマーキングだけはしっかりしてくれている。少し勾配が急になっていく。高巻きで登ったり下ったりするよりは、登りが続いても高度を上げていく方が精神的には絶対いい。途中、両側の草木を掻き分けるように進んだり、ここは川か?というような水が流れるところを登ったり、道がくずれているため歩けるところを草木を分けて迂回したり、セメント色のジュクジュクのところを靴が半分埋まりながら通ったり、、、まさにアドベンチャー感覚だった。今思うと、これも面白かったといえるのだが、5年前にリタイアした山だけになかなか精神的余裕はなかった。

分岐から小1時間ほど歩く。かなり尾根が近づいてきた感じがしてきたものの、夫婦岩はまだ見えない。少し休憩を取ろうと乾いた岩に腰掛けてバナナでエネルギー補給。パラッ、パラッ、ん? 空は明るいのに小雨がぱらついてきた。天気予報から考えると嘘でしょう?という感じだったが、まぁ歩くのに支障があるほどではない。実際すぐに雨はやんだ。でもここからは引き返すのも大変だし、今日はまだ誰にも会っていないし、正直降り出したらいやだなぁと少し不安に思った。

休んでエネルギーを取ると少しでも元気回復。しばらく行くとやっと夫婦岩が見えるようになり、ほどなく8時2分分岐到着。夫婦岩が近い。行ってみたい気はするものの到底そんな余裕は無い。またこの分岐は最後の水場になっている。エキノコックスは気になるが、夕張岳でも飲んでいるので少しだけ飲んでみる。冷たくて美味しい。

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 迫力の夫婦岩

 

 

ここまで来ると稜線が近いという期待感が元気を呼ぶ。夫婦岩を巻くように稜線に向かう。このあたりが北尾根ではないかと思うのだが、標識らしきものはなかった。徐々に高度を上げ、迫力ある夫婦岩の見え方が変っていくのがいい。と同時に主稜線がはっきり見えてくる。樹林帯を抜けて視界が開けると思わずガッツポーズ。まだ芦別岳のピークは見えないが、夫婦岩や周辺の山々が見える。後でわかったが、崕山(きりぎしやま:稀少植物の多い花の名山だが、現在植物保護のため入山禁止)も見えていた。最初の小ピークに出たあたりからは、北東に十勝の山々、さらに北側奥には大雪の山々が望める。北側夕張山系の続きには小ピークの先に頭を出しているのは富良野西岳か? 下の方には山部の町も望める。

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  芦別岳・かっこいい!  竜の背中のような崕山

ここからはアップダウンはあろうとも、展望のいい快適な稜線歩きかと思いきや、まったく予想を裏切られる。また、稜線に出てから芦別岳までは降ったりやんだり晴れたりと、まったく不安定な天気だった。降っても大した雨ではないし、既に身体はびっしょりだし、ぜんぜん寒くはなかったので雨具は最後まで出さなかったが。

9時17分、1453mピーク(と思われるピーク:標識はない)到着。小休止を取る。やっと芦別岳の先鋒が目に飛び込んでくる。槍のような鋭い先鋒に感激! するどいピークに続く稜線は槍ヶ岳の西鎌尾根のような感じもした。新道往復では味わえない光景だ、旧道を苦労して登った甲斐があったかな。山頂までおおよそピークを数えるとまだ大小8つくらいあるか。本番はまだまだこれからだ。が、目指すピークが見えたことで力が出てくる。しかし、初めのうちこそ快適だったが、次第に両側のササや草木が覆いかぶさるようになり、まったく登山道が見えなくなった。両手でかき分けて足元を見ると、ほぼ問題なくルートを確認できるが、足元はおろか草木の海をかき分けていくようだった。躓いて転倒する危険もあるので、足元の道を確認しながら進むのことが必要だ。しかも時々雨が降るので、草木が濡れてそれで衣服も濡れる。この薮漕ぎに入ってしばらくすると、靴の中が完全に水でクチャクチャいうようになってしまった。スパッツはしていたのに。

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  道端にお花畑も   真ん中まっすぐが登山道

こうなるとルートを確認することに集中して進むことで、逆に疲れたとか辛いとか感じる余裕もなかった。こういう状況にはきまま仙人は弱くない。ひとつ、またひとつとピークを越えるごとに芦別岳が近くなっていく。槍やトムラウシが持つ引力のようなものが芦別岳にもある。今でも思うが、夫婦岩分岐まではできればもう行きたくない。が、そこから芦別岳までは新道の往復だけでは得られない魅力が一杯ある。

稜線上は花も結構咲いている。もちろん薮漕ぎしている間は見る余裕もないのだが。ユウバリトリカブト、エゾウサギギク、シナノキンバイ、ナガハキタアザミ、コガネギク、ウメバチソウ、ヨツバシオガマ、ミヤマハンショウズルなど

さらに稜線に沿って登り下りを繰り返しながら小一時間、10時20分1579mピーク通過。ここもマーキングやルートを示す標識だけで、ピークの表示は何も無い。芦別岳がどんどん近づいていく。ここからキレットまで100mくらい一気に下り、また登り返す。大変かと思いきや、思ったよりも身体が軽かった。順調に進む。

キレットから登り返して、いくつかスリリングな岩峰を越えると芦別岳西側のお花畑に出る。ここから山頂直下まではなだらかで展望もよく快適。途中振り返ると歩いてきた稜線が見渡せて気持ちいい。お花畑ともどもすばらしい景色だ。

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 キレット、高度感のある道を振り返る  山頂はもうすぐ

お花畑には多くの花が、残念ながら名前がまだわからないものも多い。アオノツガザクラ、トモエシオガマ?(シオガマギク?)、ユウバリトリカブト、チングルマ、ミヤマアケボノソウ、ミヤマウツボグサ、ミヤマリンドウ、エゾオヤマノリンドウ、ハイオトギリ、ユキバヒゴタイ、イワツメクサ??、サマニヨモギ、チシマフウロ、エゾヒメクワガタ、ウメバチソウ、、、、このときは雨も上がり写真を撮りながらゆっくり進んだ。

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 ミヤマアケボノソウ  アオノツガザクラ   トモエシオガマ?

 

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 頂上直前からお花畑を見下ろす

 

最後は穂先のてっぺんへ100mくらいの急登だ。さすがにかなり疲れてきていたが、頂上が目の前なのでガンガン上がる。急登の岩場で少し高度感がある。11時29分、ついについに芦別岳到着。正直ほっとした。

続く。。。

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