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2010年8月17日 (火)

日高山脈の最南端、太平洋を望む花の山、アポイ岳(8月1日山行記録(2))

アポイ岳山行記録の続き。

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 馬の背から何度かアポイ岳の山頂が顔を出してくれました。

 

 

6合目を過ぎたあたりから徐々にへばってきた。雨具の中はシャツからズボン、パンツまでびっしょり。暑くて蒸し風呂の中のようだ。雨は相変わらず降ったりやんだり。だが降ってもそう激しくはないので、歩くのに特に支障は無い。花の写真を撮りながらゆっくり登る。1,000mもないのにハイマツが繁る。オトギリソウ(サマニオトギリ?(固有種))やホソバトウキ?(ミヤマトウキ?)など珍しい種類がある。その他にも本州で見るのと少し違うものが多い。振り返るとガスの中にアポイ山荘や太平洋に突き出した様似のエンルム岬が見えた。襟裳方面はガスの中何も見えない。

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   サマニオトギリ    ネジバナ

9時18分馬の背到着。名の通り切り立った尾根のお花畑を、本来ならアポイ岳を見上げながら緩やかに登るすばらしいコースなのだが、残念ながらアポイ岳は見えない。と思っていたら何度かガスの中から頂上が顔を出してくれた。花の種類も少し変わる。ピンク色の小さな花が縦に並ぶネジバナ、ミヤマワレモコウ、アポイハハコ(固有変種)、チシマセンブリ、エゾマツムシソウ、エゾルリムラサキ、ミヤマホツツジ、アポイツメクサ?(固有変種)、エゾシモツケ?、アポイアザミ?(エゾノサワアザミ?)、ハクサンシャジン?(ツリガネニンジン?)などなど。??がいっぱい付くが、珍しい花ばかりなので、きまま仙人の見立てや写真だけではまったく判定できない。標高はわずか600~700m程度なのに、確かに高山植物の宝庫だ。

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 切り立った馬の背の向こうには太平洋

 

 

 

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   アポイハハコ    ミヤマワレモコウ

幌満お花畑方面への分岐を分ると、最後のひと踏ん張り。8合目あたりでは上部がガスで隠れてまったく見えず。迷うようなコースではないが視界が悪い。思いのほかへばってくる。わずか810mの山で、、、と思うくらいバテバテで10時3分やっとという感じでアポイ岳山頂に到着。山頂には熟年のご夫婦と単独男性がひとり。小さな祠もある。山頂部はダケカンバの木々に覆われ展望はあまりよくない。途中が高山帯風で山頂はまた樹林帯という逆さの面白い植生になっている。この天気で、このバテ具合で吉田山まで往復する気にはならなず、あっさりパス。それでもバナナなどでエネルギーを補給すると少し元気回復。

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 アポイ岳山頂、ダケカンバに囲まれている

 

他の人たちはもと来た道を下山していったが、きまま仙人はせっかくなので幌満のお花畑経由で帰ることにする。ダケカンバとササの尾根を下るが、通る人が少ないのか、かなり生い茂っていて邪魔になるところも。少しだが、急な下りもある。天気が良ければよさそうなコースだが、遠望が利かないのが残念だ。襟裳岬も見えるはずなのだが。(※余談だがきまま仙人は世代的に襟裳岬と聞くと森進一の歌を思い出してしまう。思わず口ずさみながらおりた。)

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 幌満へ続く稜線
 コルが幌満お花畑

 

 

幌満お花畑も花が多くてすばらしい。残念ながら幌満へ下る尾根は現在植生保護のために通行禁止になっている。固有種ヒダカソウが盗掘などで激減したのが理由らしい。花の種類は馬の背のお花畑や登山道に咲いていたものとほぼ同じだった。誰もいない静かなお花畑は、ガスで少しぼわっとした中、幽玄の世界が広がっていた。天気がよければもう少しゆっくりしたのだが、あいにく小雨がまた降り始めたので早々に先へ。ここから登山道へは、アポイ岳をバイパスするように樹林帯を突っ切って8合目下(馬の背上部)の分岐に出る。

分岐からは登りの登山道を戻る。途中ガスが切れたタイミングで何度か山頂が姿を見せてくれた。五合目の休憩小屋までは、珍しい花が無いか探しながら下る。そこから先は早くひと風呂浴びたくて、一気に下った。12時32分、無事駐車場に戻る。今日の山行中、小雨は降ったりやんだりだったが、雨そのものはまぁそれほど気にはならずに歩けた。が、好天の中歩くと、もっと楽しい山のような気がして、少しもったいなかったかな?とも思う。また、気温が高かったこともあるのか、雨具を着ての往復は思った以上に疲れた。それでも北海道山行初日、やはりアポイ岳を登ってよかったと思う。

下山後すぐにアポイ山荘の日帰入浴(500円)で汗を流す。ここは温泉ではないが、露天あり、サウナありで、下山後汗を流すにはいいお風呂だと思う。

できればヒダカソウの咲く5月頃、再び登ってみたい山だ。

おしまい。

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