花の名山、早池峰-ハヤチネウスユキソウを訪ねて(7月18日山行記録(1))
前回早池峰に登ったのは、97年9月の遅い夏休みだった。ハヤチネウスユキソウはとうに花期をすぎてしまっていただけでなく、霧雨で風もあり、とにかく頂上を踏んだ、というだけの山行だった。そのため、花の季節の好天の日に登りたいと、ずっと考えていた。今回やっと念願かなったというわけだ。でもやはり岩手は東京からは遠い。
97年は、まだマイカー規制が行なわれておらず、悪路を河原坊まで運転した記憶がある。はじめに林道を小田越まで歩き、小田越側から登り河原坊に下った。今回は余裕があれば、対峙する薬師岳にも登ろうと思っていたこともあり、前回とは逆回りのルートを選んだ。標高が200mほど高いので、楽なのは小田越からのルートだが、下りの方が苦手なきまま仙人にとっては、河原坊から登る方がよかったかも知れない。
今年は例年に比べ、花が今いちとのことだが、それでも花の名山の名に恥じない花の豊富な山だった。また蛇紋岩の岩場を登るのはコースとしても悪くない。
ルートとコースタイムは以下の通りだ。
岳駐車場5:30=バス=河原坊602-御座走り7:15-打石7:47-千丈ヶ岩7:58-8:24早池峰山頂9:28-八合目9:52-五合目御金蔵10:18-11:13小田越11:42=バス=12:13岳駐車場
○7月18日(晴れ時々曇り)
朝、周りが騒々しくなってきたので目を覚ますと、岳駐車場は多くの登山者が準備を始めていた。空は青い! 前夜の雷が嘘のようで、天気は期待できそう。係りの人に確認すると、始発の前に臨時で5時半のバスが出るらしい。車に戻って急いで準備。バスを待ちながら朝ごはんのおにぎりをパクつく。バスは3台、それでも立ち客がいた。
河原坊で下車。感じとしては小田越まで行く人の方が多そうだった。特に団体さんは小田越からのよう。着いてからまずはトイレで大、急いでバスに並んだので、駐車場で出来なかったからだ。女子トイレはかなり長い列だったが、男性トイレの大は、そう並ばないでも大丈夫だった。河原坊からも早池峰山頂がはっきり見える。GPSを起動し、軽くストレッチをして6時2分出発。 早々に軽い徒渉、何ということはないが、朝いちで少し濡れているので、思わず慎重になる。
河原坊からの早池峰
しばらくはコメガモリ沢を登る。苔むした岩などがいい。たまに軽い徒渉があるが、昨夜の雨のせいか、少し気を使うところがある。さすがに午後歩いた昨日に比べると朝は爽やかで、樹林帯の中は日陰も多く気持ちいい。センジュガンピやミヤマカラマツ、クガイソウ?だろうか、ところどころ花もお出迎え?
しばらく登ると徐々に視界が広がり、急登の岩場や山頂部が見えてきます。同時に影がなくなり、暑く、、、しかし振り返ると薬師岳がなかなかいい。地図に載っている頭垢離という場所はどこか不明? 知らない間に通り過ぎたようだ。さらに進みこの山の特徴である蛇紋岩の岩場になると、花がぐっと増えてきます。マルバシモツケ、タカネニガナ、シロバナニガナ、ミネウスユキソウ、ナンブトラノオ、アズマギク、ミヤマオダマキ、コバノツメクサ、イブキジャコウソウ。。。マイペースで登っていたつもりだが、結構いいペースに。汗びっしょりになって、心臓バクバク! 時折立ち止まって花を見たり、振り返って展望を見たり。風が出ると、さわやかですごく気持ちいい。
視界が開け山頂も
さらに登ると、、、ありましたハヤチネウスユキソウ! 白い綿のような額が細長で、一見してわかります。さっそく写真にパシャ! 何といってもすぐわかる特徴的な姿は別格、可憐でかわいい。今回はこの花に会うために岩手まで車を飛ばしてきたようなもの。来てよかった。
花はどんどん増えていく。ハヤチネウスユキソウもあっちにもこっちにも。特にホソバツメクサの小さくかわいい花やミヤマオダマキが印象に残る。ミヤマオダマキがこんなに咲いているのは、久々に見た気がします。また、綺麗なものが多かった。その他、ヨツバシオガマ、チングルマ(の種子)、チシマフウロなど花を探しながら登るのが楽しい。
ミネウスユキソウ ハヤチネウスユキソウ ホソバツメクサ
上部になると巨岩が多くなってきます。出発して約1時間半、7時半に「御座走り」という標識にでるも意味は不明。その後打石、千丈ヶ岩と巨岩を通って行きます。そしてコメガモリ沢コースも一ヶ所だけ鎖場が。一枚岩で初心者は驚くかもしれませんが、足場も一応切ってあるし、今日のような天気だとむしろ楽しんで登れました。
一枚岩の鎖場
最後は少々きつかったですが、8時24分早池峰山頂に到着。頂上には早池峰神社があり、矛を立てた祠のようなものもあります。さすが信仰の山。また立派な避難小屋があるのですが、気のせいか前回よりも綺麗になったと思います。とりあえず展望の利く薬師岳側の岩の上に陣取って大休止。風が心地よくて気持ちいい。西から東へと雲の動きが早く、薬師岳も見えたり隠れたり。条件のいい日は月山や鳥海山、岩手山などが見えるようですが、残念ながらきまま仙人は確認できませんでした。
山頂には山の神々が祭られている
東京や関西からは不便なせいか、ツアーの団体さんが多いのはちょっと気になりました。比較的登りやすく花で有名な山のせいか、花好きな人が多そうです。会話に花の名前がバンバン出ていました。聞いていると教えてあげたくなるような人もいましたが、、、あと家族連れも多かったですね。
見下ろすと河原坊も小田越も見えるのですが、一度下ってまた薬師に登り返すのは楽じゃないなぁ。。。と思っていたら薬師がガスって見えなくなる。これでは登っても早池峰は見えないからやめよう。。。と思ったら晴れてくる。正直かなり迷ったが、少しずつだが確実に早池峰山頂部にはガスがかかってきた。1時間くらい山頂でのんびりして下山を始めようと思った頃(ガスってきたから下山を決めたこともある)には、山頂部はガスで展望がなくなってしまった。
次回に続く。。。
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