時計コレクション (番外13) ムーブメントブック―腕時計はムーブメントで選ぶ時代だ!
この本は、機械式時計、特にムーブメントにフォーカスをあてて特集したムック。ヴィンテージから現行まで幅広く網羅されており、機械式時計好きならうれしい内容にはなっている。定価1800円の割には127ページとけっこう薄い。初めはこれで1800円?と思ってしまった。
どちらかというと、初心者・初級者向きではあると思う。書いてあることはマニアには基本的なことが多い。が、たとえば番外編(1)で紹介したラング氏らの「Chronograph Wristwatches: To Stop Time」をコンパクトに日本語で読みやすくしたとみれば、非常に見やすくまとまっている。なかなかこの手の本はあるようでないので、そういう意味でも人気があるのだろう。(ラング氏らの本はクロノグラフ専門なので、この本の方がより一般的になっている。) クロノグラフについてはメジャーどころだけでなく、ユニバーサル、アンジェラス、エクセルシオパーク、ミネルバなども掲載されているのがいい。
時計やクロノの仕組み ブランドとムーブ
あと1920年代に設立されたエボーシュ連合17社のすべてがハウスマーク付で紹介されている。代表的なムーブメントも。こういう内容をまとめてちゃんと書いている本は意外と少ない。
ちなみに17社をリストアップしておく。
Valjoux(バルジュー)、Venus(ヴィーナス)、Landeron(ランデロン)、Fontainmelon(フォンテンメロン)、A.Schild(ア・シールド)、Derby(デルビ)Nouvelle Fabrique(ヌーベル・ファブリック)、A.Michel(ア・ミシェル)、Chezard(シェザール)、Betlach(ベトラッシュ)、Reunies Arogno(レユニ・ザロニュ)、Peseux(プゾー)、Fleurier(フルリエ)、Unitas(ユニタス)、Eta(エタ)、Felsa(フェルサ)、Bernoises(ベルノワーズ)
展開図 エボーシュの紹介
ほぼオールカラーで手巻き時計からクロノグラフまで時計の機械の美しさ・良さが伝えようという内容になっている。目次を紹介しておくと、
ムーブメントの魅力ってドコにあるんですか?
ムーブメント・ブックが選ぶ名作ムーブメント
ムーブメントはこうして動く!
マニュファクチュール・ムーブメント・カタログ
スイスウオッチの原動力 ETAムーブメント
全国有名時計店ガイド
ムーブメントがもっとよくわかるブックガイド
ちょっとだけオールドムーブメントの世界を知る
腕時計の時代を築き上げたムーブメントとメカニズム
リストウオッチ”ガイ”と語りあえるアンティークウオッチ・ショップ
ムーブメントの各部の名称や構造、動作するしくみの解説(クロノグラフやクォーツまで)、ETAの主要ムーブ2894/2094、7750系の展開図(分解図)、主なマニファクチュールの代表的ムーブの写真紹介まどが主な内容だ。代表ムーブの写真は、かなり主要なものは掲載されていて、きまま仙人も確認するときにちょっと見たりすることは多い。ただスイスなど外国製時計が中心で、国産はほとんど載っていない。
オールドムーブの紹介 バブルバックやアラームの解説
きまま仙人自身もデザインなどよりもムーブメントの方に興味があり、コレクションをムーブで整理して、ムーブメントで購入する時計を選んでいるほどだ。 そういう意味では、こういう本はどんどん出版されて欲しいと思う。が、新しい内容を盛り込むのはなかなか難しいので、同じような内容の本になってしまうんだろうなぁ。。。
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