モーリス・ユトリロ展
二日酔いでもないのだが、昨日のお酒のせいか、今日は昼近くまでベッドでうだうだ。
午後これからでも混んでなさそうな展覧会は、、、と思って損保ジャパン東郷青児美術館にモーリス・ユトリロ展を見に行ってきた。パリの街角の絵、白っぽい建物の絵として、ユトリロの絵はよく知っているが、こんなにまとめてみる機会は初めてだった。
絵もいいんですが、彼の人生を知って、いろんな意味で感じるところがあって面白かったです。
結局何だかんだと遅くなってしまい、美術館に着いたのは4時過ぎ。そのせいか結構すいていた。比較的ゆっくり見ることができた。
ユトリロは中学の頃から酒依存症の症状があったようで、そもそも治療の一環として絵を描き始めた。絵が売れるようになってきてからも、母と義父に監禁されるような生活だったらしい。母の死後も年上の資産家の未亡人だった妻に同じような生活をしいられていたとのこと。亡くなるまでほとんど自由のない人生だったようだ。
たしかにどことなく寂しい感じの絵もあるが、絵からはそのような人生は感じられないものも多い。不思議な理解できないものを感じる部分がある。ユトリロの絵に表現されているものは、いったい何なんだろう。
絵は見慣れたユトリロのイメージどおりのものだった。パリの街角の風景、ムーランルージュや教会や酒場など。特に漆喰の壁はユトリロらしい。人がまったくいないか、いても通行人のような人が小さく描かれているだけ。見やすいというか、部屋にかけたいと思うものも結構あった。油彩だけでなく、グワッシュという聞きなれない描き方(画材?手法?)が。帰宅後調べてみると「不透明な水彩絵の具、またはこれを用いた技法」とのこと。見た目だけではわかりにくかった。
これだけ(90余点)の数を見比べると、同じ場所、あるいは同じ建物を書いたものもいくつかあり、書き方の違いが面白かったり、絵毎に書き方やタッチがかなり違うものがある。表現方法の実験的な試みというより、そのときの気持ちで書きたいものを書きたい書き方で描いているようだ。
また結構人(通行人)が書かれている絵もあった。中には顔がちゃんと書き入れられた絵もあって楽しかった。大半は女性で、お尻の大きいロングスカートをはいた女性だ。当時の服装なのだろうか。
なかなかうまく書けなかったが、いろいろ面白い展覧会だった。
| 固定リンク
コメント
はじめまして。
ユトリロ展、私も行きました。
四阿山、素敵な山みたいですね。
投稿: orangerose | 2010年6月10日 (木) 08時17分