古人の足跡をたどる、熊野古道(5月2日トレラン記録(前半:大雲取越))
今日も身体がだるくて、な~んにもしない一日でした。今週は時計コレクションをパスさせてもらい、GWの山行記録を書きはじめたいと思う。
行った順に記録を書くべきかもしれないが、やはり今回の計画のメインだった熊野古道のトレランから書きたい。
まず、コースとタイムを書いておきたい。
大門坂駐車場4:58-熊野那智大社・青岸渡寺5:24-登立茶屋跡6:05-舟見茶屋跡6:30-色川辻6:46-地蔵茶屋跡7:13-石倉峠7:23-越前峠7:43-楠の久保旅籠跡8:22-円座石8:39-小口9:00-小和瀬9:08-桜茶屋跡9:58-桜峠10:07-石堂茶屋跡10:27-百間嵓10:54-万才の峠分岐11:23-松畑茶屋跡11:26-12:14請川バス停
約30キロのトレラン
計画では、その後約4キロ国道をジョグして本宮まで行く予定だったが、タイミングよく請川でバスが来たので、そのまま飛び乗った。あの暑さで、車が頻繁に通る国道を走りたくはなかったので、距離は少し短くなったが、まぁよしとしたい。
行動(歩・走)時間6時間40分、休憩(写真を撮ったり景色を見たりは除く)わずか36分。ウェアも装備も休憩の取り方も、いつもの山行とはまったく別のやっぱりトレランでした。
そもそもなぜ熊野古道を歩こう(走ろう)と思ったかというと、それはきまま仙人が持っている山のガイドブック「関西の山歩き100選」に紹介されていたからだ。熊野古道が世界遺産に指定されたことは知っていたが、詳しいことはあまり知らなかった。調べてみると大・中・小辺路、伊勢路、川の古道といわれる熊野川の川下りなど、実に多くが含まれる。
今回歩いたのは、那智大社から本宮大社への大雲取越、小雲取越といわれる約30キロのコースで、中辺路(なかへち)といわれるルートの一部だ。通常は途中の小口という山里で一泊する。山道を歩く部分が多いという意味では山行だが、ピークは実質ない。何とか1日で行きたいと思うと(バスの時間もあり、)歩いていては時間的に間に合わないので、トレランにした。緩やかな下りだけでも走れればいいと考えて。
車を大門坂駐車場に停めて、朝4時58分出発。まだ薄暗く月がきれいに出ていた。杉木立と石畳がいい大門坂を登る。関所跡、夫婦杉、多富気王子とポイントもあり、ウォーミングアップが終わると駐車場にでる。熊野古道は九十九王子といわれるほどたくさんのXX王子があるが、このコース上は多富気王子ただひとつだ。石段を登ると熊野三山のひとつ那智大社だ。軽く無事を祈願して早々に出発。ここや那智の滝は学生時代に観光に来たことがあるが、改めてゆっくり見たかったが、時間がないので先を急ぐ。
青岸渡寺の横の石段から古道が始まる。一気に杉の森の中の薄暗い石畳の路になる。けっこう登る。少し行くと、まだ人のいない那智高原公園を抜けて再び古道に入る。公園には長いすべり台があり、ちょっと楽しそう。苔むした石畳、杉木立が続く。緩やかな上り坂で高度を上げていく。登り、特に前半はマイペースのつもりなので、走らずいいペースで歩く。6時5分登立茶屋跡を通過、標識があるだけで特に何もない。すぐ近くを舗装した林道が沿っているが、ほとんど気にならない。6時半、舟見茶屋跡到着。ここ
には東屋があり休憩場所になっている。また名前のとおり、那智湾が望める。妙法山も印象的だ。おそらく古人も那智を顧みて旅情に耽ったのだろう。感慨深い眺めだった。大雲取越のコース中、展望がいいのはここくらいだ。
大門坂の石段 熊野古道 こういうところはジョグ
那智湾が望める
舟見茶屋跡で那智湾を眺めたあとは、一気に歴史の重みというか、昔の人の想いが伝わってくるように思えた。どういう思いで歩いたのだろう。舟見茶屋跡から小さな上り下りを繰り返しながら比較的歩きやすい道を進む。下りは軽くジョグしてみる。日が出てきて木漏れ日の中、少し暑いが気持ちがいい。色川辻で林道を越える。が、ここで想定外の事態。古道が通行止めになっていた。台風18号の影響で倒木、崩落箇所多数ありとのこと。見える範囲は問題なさそうだったが、無視して進むわけにもいかず、迂回路の林道を行く。舗装道なので、時間を稼ごうと、やや上りもあるがキロ7分強のペースで軽くジョグ。一旦古道を少し行き、また林道をジョグ。7時13分、快調に地蔵茶屋跡到着。ここはりっぱな休憩所と大雲取地蔵尊がある。写真だけ撮ってノンストップ。
地蔵茶屋跡から石倉峠までは100m強の高度差だが、かなり急な登りだ。息が上がり心臓がバクバクいうが、一気に登った。石倉峠には道祖神のような石仏と、斉藤茂吉のまだ新しそうな歌碑がある。ここからさらにアップダウンを繰り返し越前峠まで登る。時々歌碑があり、うれしい。初めこそひとつひとつ読んでいたが、そのうち読む余裕がなくなる。7時43分、越前峠到着。標識には中辺路の最高地点、高度870mと書かれている。(案内図では840m) さすがにかなり疲れた。舟見茶屋跡以来休憩も取っていないので、ここでショートブレイクを入れてバナナでエネルギー補給。今日はハイドレーションシステムを使っているので、水分補給は動きながらできる。ザックを降ろすのは今日初めてだ。時間的には少し余裕ができてきた。
通行止め 石倉峠の歌碑 苔むした石畳
古人の想いを感じながら歩く
ここから小口の集落までは標高差800mを下る。標高そのものは低いものの、標高差は馬鹿にならない。このあたりから逆コースを歩く人たちとすれ違うようになる。苔むした石が多く、感じはいいのだが、歩きにくいところも。急な下りも多い。捻ったり滑ったりしないように慎重に降りる。部分的には走ったが、歩いたほうが多い。楠の久保旅籠跡を過ぎ、8時39分、パワースポットでも知られる円座石(わろうだいし)に到着。ここは熊野三山の神々が、この石の上に座って話をしたといわれる苔むした石で、熊野三山をあらわす三つの梵字(阿弥陀仏、薬師仏、観音仏)が書かれている。厳かな気持ちになる場所だ。しばし休憩を兼ねて気をもらう。
円座石、神聖さがある
さらに下って、9時ちょうど石段を降りると小口の集落に出た。これで前半の大雲取越が無事終わった。
長くなったので、今日はここまで。後半の小雲取越に続く。。。
| 固定リンク
コメント