0時、12時の午前、午後はどっち?
先日ひょんなことから英語と日本語(少なくともきまま仙人の言い方では、)で、12時(0時)の午前午後の付け方が逆だということがわかって驚いた。時計好きとしては、ちょっと興味があってネットでいろいろ調べてみると、これが意外に奥が深いことが判明。ちょっと整理もかねてまとめておきたい。
時計コレクションの番外編で紹介しようかとも思ったが、あのコーナーは所有品や訪れた博物館について紹介しているので、別にしてみた。
12時間制で時刻をいう(表記する)場合、12時(0時)も午前か午後を付けないと昼か夜か区別がつかない。12時(0時)はどちらでもない、というのは不便というか都合が悪いのだ。
まず日本における時刻表示の定義として、独立行政法人 情報通信研究機構のホームページによると、「午前と午後を定義している法律は、明治五年に出された 太政官布告三百三十七号以外には見当たらない。また、この法律が改廃された記録も残っていないところから、現在も生きているものと考える。」と記されている。この法律を見る限り、夜の12時については午後12時、午前零時のどちらでも良いと解釈でき、昼の12時については午前12時のみで、午後零時は表に載っていない。
また、「午前は正子から正午までで、正午から正子までが午後だと解釈すると正午を1秒でも過ぎればそれは午後である。この法律はもともと改歴が目的で、午前・午後の定義については十分な審議がなされなかったものと思われる。」とも記載されている。午前は正子から正午までで、正午から正子までが午後というのは、感覚的にも理屈としても受け入れやすい。したがって12時間制の場合は、午前・午後とも0時0分~12時0分までとするのがわかりやすく、午前0時=午後12時=正子(真夜中)、午前12時(=午後0時)=正午(お昼)と考えるのが妥当だと考えられる。そして法的には12時xx分という言い方は、0分(12時ちょうど)以外は使わないのが好ましい。
ところが一般的に12時xx分という言い方は、通常頻繁に用いられる。これは、時計の文字盤の真上に12の数字が書かれていることに起因するようだ。(合理的には0の数字を書く方が合っているといえる。) ここで昼の12時(正午)は、先の法的解釈から合理的に考えると、午前12時である。が、少しでも過ぎると、たとえば1分なら午後12時1分とすべきで、午前から午後に変わる。12時0分1秒でも午後である。0分ちょうどは午前、0分以外は午後となり、これが混乱を引き起こす要因となっている。混乱を避けるためには、先に書いたように12時は0分以外使わないか、24時間制を使うことである。24時間制の場合は、基本的に午前・午後は不要であるので、付けても混乱は少ない。
このわかり難さを避けるためではないかと思われるが、英語では真夜中の12時を12:00am(midnight)とし、お昼の12時を12:00pm(noon)と表記する。日本の法的解釈とは間逆である。一方、0:00amや0:00pmという表記・言い方は通常使わないらしい。こうすることで、12:00am~12:59am/12:00pm~12:59pmが連続することになる。感覚的にわかりやすい部分もあるが、午前中10時から2時間を10:00am-12:00pmと書くなど、これはこれで慣れないとわかりづらい。ちなみに、24時間制の場合は、am/pmは通常つけないらしい。これはわかりやすい。
面白いのはデジタル時計だ。デジタル時計の表示は、(12時間制では)日本も含め国際的に英米式が主流である。時計メーカーの業界団体である社団法人日本時計協会は社団法人日本時計学会と共同で、(12時間制の)デジタル時計では12時は不適当であり0時を使うのが妥当であると発表したが、実際に(12時間制で)0時と表示するデジタル時計は少ない。きまま仙人が所有品を確認しても、ひとつもなかった。12時ちょうどからPMとなり、12:xxという表示になっている。12:59の次が、1:00となる。
午前12時、午後12時という言い方は難しい。
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