時計コレクション （番外7） WENGER MINATHOR (SWISS WATCHMAKER'S KNIFE)

今回は初めてになるが、ツールを紹介しよう。ウェンガー・ミナトー、ツールでもあるが土産物、あるいは記念品かもしれない。MINATHOR（ミナトー）とは「ミニ・アトリエ・ドゥ・オルロジェ（MINi ATelier du HORloger）」つまり、“小さな時計工房”の頭文字をとった合成語。スイスアーミーナイフの有名ブランドウェンガー社が、これまたスイス随一の時計工具専門メーカーベルジョン社と共同開発した時計用マルチ・ツールである。

まず何がついているかというと、以下のものたちである。図と見比べながら確認してください。今は「ミナトー 50」という機能的にはほとんど同じだが、デザインが少し違う製品も出ている。

A．ナイフ
B．ケースオープナー
C．ルーペ
D．バネ棒はずし（大）
E．ゲージ/目盛
G．金属ヤスリ
H．ワインオープナー
I．キリ
J．マイナスドライバー
K. 栓抜き
L．ワイヤーベンダー／コードの被履をはがすときに使用します。
M．オイラー／油を注し
N．ピンセット
O．ツールホルダー／1.2.7.8.9.14の精密加工用工具のホルダー
P．ツ-ルボックス／1～14の精密加工用工具を収納するケース、空スペースは予備スペース
1．1.2mmピンパンチ
2．0.8mmピンパンチ
4．リーマー／穴を広げる工具
7．バネ棒はずし（小）
8．1.2mmドライバー
9．0.8mmドライバー
10．丸ヤスリ
14．1.5mmプラスドライバー

非常に多岐にわたるものが付いていて、充実している。ただひとつ、栓抜きはマイナスドライバーと一体なのでいいとしても、ワインオープナーはなくてよかったのではないだろうかと思う。このあたりはボディのパーツを他と共用しているから外せないのだろうか？

　　ドライバーややすり　　　　　　　　　取説・箱

　　　BERGEONのロゴ　　　　裏側にはワインオープナー

きまま仙人は、骨董市などを物色してまわるとき、いくつかの他の工具と一緒（これらはまた別の機会に紹介したい！）に持ち歩くことがある。が、オープナーくらいしか使うことはない。非常時には役に立つこともあるかもしれないが、実用的かといわれると、仙人には答えにくい。

このミナトーは、2000年、時計好きのメンバーでスイス旅行したときに購入したものだ。チューリヒやルツェルンで空いた時間に探したが、百貨店、時計屋や普通の土産物屋、ましてスーパーなどには置いてなくて、買えなかった。結局、チューリヒの空港の免税店で買うことができた。値段ははっきり覚えていないが、9,000円くらいだったと記憶している。日本で買うよりは安かったと思う。購入時に機内持ち込みできるのか心配で確認したが、問題なしとのこと。結局、預けることもなく持ち込め、機内で取説を読んだ。今のセキュリティレベルから考えると、信じがたいくらいだ。

時計好きにとって、スイス観光の記念品としては、ドンピシャな一品だ。みやげ物としては、ちと高すぎるが。