登山家栗城史多氏の挑戦
最近、登山家栗城史多(くりきのぶかず)氏をTVなどでよく見る。先日もNHKの深夜番組で放送されていた。きまま仙人も栗城氏のことを知ったのは、昨年でしかない。
まず簡単に彼のプロフィールを紹介しておこう。(詳しくは彼のサイトをご覧ください。) 82年、北海道生まれ。高校卒業後、都会に憧れ東京に来るも挫折し、フリーター・ニートとなる。上京から1年後、北海道に戻り大学に進学し、山岳部に入る。登山を始めてわずか2年で、北米最高峰マッキンリー・デナリ単独登頂に成功。その後登山を通して地球を感じたいとの想いから、7大陸最高峰のうち6座をはじめ、次々に高峰に登頂。
彼の登山スタイルには、特徴がある。まず単独、無酸素であること。もうひとつビデオカメラを持参し、自ら撮影しながら登山を行い、ネットで配信しているのだ。そして7大陸最高峰単独無酸素登頂を目指している。今、注目の若手登山家といえる。
7大陸最高峰単独無酸素登頂の残る1座はもちろんエベレストである。エベレストを無酸素登頂したのは、かのラインホルト・メスナーただ1人だ。以前きまま仙人がみたTV番組は、このエベレストの単独無酸素登頂に挑んだときのものだった。ベースキャンプのサポート役との無線交信の様子や、かなりの望遠レンズで登っている栗城氏を追った映像、そして登りながら栗城氏自身が撮影した映像などで構成されていた。残念ながら、無酸素のためか足が進まなくなり、時間的に登頂を断念、引き換えしてきた。失敗だ。が、失敗だからこそ成功以上に、8000mの登山の壮絶さや栗城氏とサポート役の苦悩、生死ぎりぎりの判断が本当にリアルに伝わってきた。
そんな彼の登山という挑戦に、共感する人が多いという。登山をまったくしない人達からも。きまま仙人は8000mの世界は自身の経験としては知らない。憧れはあっても、行こう、行きたいという意思も持ってはいない。彼のやろうとしていることに、命をかけるほどの価値があるのかどうかもわからない。が、彼の挑戦を応援したいと思うし、うらやましいと思うし、(スタイルも含めて)大きな目標に向かう姿勢にリスペクトを覚える。共感する人が多いというのは、そういう点だろう。
自分も、同じように目標に向かってがんばろうと思えるのだ。
8000m峰の無酸素登頂とは雲泥の差があるが、きまま仙人も少しスリリングなルートを登ったりする。まぁ小さな挑戦か? しかし動画を撮りながら、コメントをしながら登るのは大変だと思う。必ずしも立ち止まって撮っているわけではない。歩きながら撮っているのだ。負荷というか、疲労度には影響すると思う。手を使わなくていいようなハイキングならいざ知らず。
栗城氏にはしばらく目が離せなくなりそうだ。
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コメント
私も彼を知ったのは年末年始のNHKの番組でした。
ダウラギリでの目印(ポーランド人の遺体)は結構衝撃的でした。
私も山行時に動画を撮ろうとしますが、ついつい目の前の課題というか壁というか、登ることにアタマがイってしまって撮るという行為を忘れてしまいます。
彼はそれほど大柄でもないようですが、あのパワーがどこから出てくるのか不思議ですね。
投稿: ビモータ | 2010年2月22日 (月) 23時08分
ビモータさん、お久しぶりですね。
きまま仙人は、山頂からの展望くらいしか動画は撮らないんですよね。しかもデジカメで。
ビデオカメラ買おうかな?
投稿: きまま仙人 | 2010年2月22日 (月) 23時59分