時計コレクション (番外3) 登内時計記念博物館
週末、諏訪に行ったついでに足を伸ばして、伊那の登内時計記念博物館に行ってきた。登内とかいてトノウチと読む。この時計博物館のことは、ネットで知っていたが、なかなか行く機会がなく、今回初めて行くことができた。
木立の中に建つひっそりとした博物館で、きまま仙人が訪れた日は小雪がちらついていて、なかなかいい雰囲気でした。思っていたより、ずっといい博物館でした。
登内時計記念博物館は、コンデンサで有名なルビコン(株)の創設者登内英夫氏が収集・設立したものだ。氏は今でも自ら時計の修理、調整をしているらしい。
きまま仙人がこの博物館を訪れた日、土曜日だったにもかかわらず、貸しきり状態だった。1時間半くらいいただろうか? 結局帰るまで、他のお客さんは来なかった。登内氏の想いが感じられるいい博物館なのに。おかげで受付をしていたかわいい女性が個別に説明してくれたり、ジャケ・ドロー(Jaquet-Droz)のからくり時計を動かせてくれたりと、本当に親切に対応してくれました。ラッキーでした。
一部懐中や腕時計、和時計などもありますが、ほとんどは掛時計、置時計の類です。第一展示室には、時計の歴史がわかる年表とともに古い時計も多いですが、この手の時計博物館にしては、新しいものも多い。第一展示室は和時計有り、アンソニアやニューヘブンなど輸入物の掛時計から精工舎や京都時計、名古屋時計有り、そして装飾系の置時計が展示されている。
第一展示室 第二展示室
第二展示室が登内氏の思い入れを感じるようなコレクション。なかなか面白い時計が多かった。いくつか印象に残ったものを紹介しよう。まず、前述のジャケのからくり時計。わざわざぜんまいを巻いて、ハミングバードが飛び出てさえずるところを動かせて見せてくれた。アラン・シルベスタインが、数年前ハミングバードのからくりを時計ケースに仕込んだのを思い出した。時計も鮮やかな青、ハミングバードの翼もきれいな青だった。オートマタに実績のあるジャケらしい。次に印象に残っているのが、ブレゲのシンパティッククロック。20台特別に作られたものらしい。今までスイスなどで見たものと違うのは、同期を取るのが懐中時計ではなく、何とトゥールビヨンまでついた腕時計だということ。セットした状態ではなく、別々に置かれていたが、どうもリューズを噛み合わせるようだ。懐中の場合は、同期ピンが出てくる構造だったが、リューズを直接操作して巻上げと時刻合わせをするようだ。(1991年製) ブレゲのものとしては、三滑車時計の復刻というのもあった。これも11台のみのものということだ。その他印象に残っているのは、惑星の動く時計やアストロラーベのような感じの表示で惑星の運行の表示をする時計。チューリヒの時計宝飾店Beyerの博物館で見せてもらったようなものの、復刻版のような感じのものだった。もうひとつ、ハリソンが作ったマリンクロノメータを模したという2つの垂直棒テンプの時計は面白い機構だった。こういうのは初めて見た。あと、ルクルトのアトモスが数台あり、意外に多いなぁと。
ジャケのハミングバード ブレゲのシンパティック
惑星運行時計は数種類あった
ハリソンのマリンクロノメータを模した時計
第三展示室はいつの時代かよくわからないが、部屋を再現した感じで、時計以外の装飾品なども。仙人的には、他の部屋に比べると、ちょっと?という感じも。その他、ビデオを見られるシアターがあり、仙人は初めに、登内氏とこの博物館の紹介ビデオを見せてもらった。15分ほどでしたが、登内氏に親しみがもてました。あと、子供たちが時計の機構を理解できるような展示があったり、、、
展示もなかなか面白かったですが、何と言ってもほとんどの時計が動いていることが、うれしかったです。仙人一人だけだったので、コチコチという時計の音があふれる中、時計を見てまわることが、何ともうれしい時間だったし、正時だけでなく、クオーターとかにも結構ボーンボーンとかチーンチーンとか鳴る時計があって、たくさんの時計に囲まれてる感じがするいい空間でした。
ちょっと場所的には不便かもしれませんが、時計好きの方はぜひ訪れてみる価値はあると思いますよ。諏訪の儀象堂や松本の時計博物館とセットにしてはどうでしょうか?
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コメント
初めまして、こんにちわ!
私も以前に訪問させて頂き大変感銘を受けました。受付してくれた女性は湯澤さんとおっしゃる方だったでしょうか?
私の時はその方だったのですが、お若いのに
説明が的確・丁寧だったので家内と共に
大変感心しておりました。
こちらはこだわりの時計コレクションが揃っていますよね。是非友人にもお勧めしたい場所の一つです。
投稿: 時計好き | 2010年8月30日 (月) 13時42分
コメントありがとうございます。
対応していただいた女性の名前までは憶えていないんです。
また訪れたい場所のひとつですね。
投稿: きまま仙人 | 2010年8月31日 (火) 22時20分