日本三大急登、黒戸尾根から甲斐駒(10月10-11日山行記録(2))
七丈小屋には既に3組ほど。(内ひと組はテントにして後で出て行った。) ひと組は小学校6年生の女の子とお母さん。この女の子はあとで話を聞くと、既に北穂~奥穂や剣などに登っていて、なかなかのクライマーだった。小屋内はストーブが炊かれていて暖かい。今回車の回収で待ち時間が出るため、重量を犠牲にして文庫本を一冊持参。時間があったので結構読んでしまった。仙人より少し遅れて到着した世田谷から来た単独行の若者が仙人のとなりに。彼も文庫本を持参してきて、何となくにやり。以後楽しく会話させてもらった。どのくらい混むかと心配したが、結局第二小屋も使い、仙人たちは第一小屋の一階で17人。十分余裕のスペースは確保できた。
夕方天気が回復してきたので、外で景色を。甲斐駒がその姿をはっきり見せている。下界の明かりがきれい。空には月、星がきれい。上部は木々が白く霧氷状態。おそらく積雪は大丈夫だろう。明日朝、凍っていなければいいのだが。。。
甲斐駒山頂部は霧氷
夕方鳳凰三山もくっきり
この七丈小屋はもともとブログなどでは食事がいいと書かれていることが多いのだが、今年はヘリの都合で食事の提供はしていない。(だから混まないだろうとふんでこのルートにしたことは12日に書いた。) 小屋に着くまでこのことを知らなかった登山者が2組。ただカップ麺などは買えるし、ストーブの上のヤカンのお湯は自由に使えるので、何も食べられないわけではない。仙人は1人でちゃんと作るのは面倒だし、お湯を入れるだけ系の食品は味気ないので、これも重量を無視してパックごはんにレトルトカレー、あとはチーズやミニトマトとした。実質調理無し。隣の若者は豚汁に市販のおにぎり。豚汁は野菜はカットしてきてあり、肉はペミカン。結構たくさん作っていて、ひと口分けてもらった。なかなかの美味。仙人ももう少しちゃんと作ればよかったかな? 代わりといっては何だが、ミニトマトをあげる。小屋飯があると楽ですが、これはこれで楽しかったです。あとこの小屋の面白いのが照明。笠がカップ麺(日清のごんぶと?)で、スイッチで消すのではなく、電球を回して緩めて消す。消灯時間も実質決まっていない? 結局19時には電気を消して眠りについた。 z z z
○10月11日(日)
4時頃起床。一度外にでて天気を確認するが、快晴満天の星。風も気にならない。昨日無理しないでよかった! 隣の若者は、御来迎場で日の出を見るとのことで4時半に出発していった。きまま仙人はせめて足元が見えるようになってから歩き始めたかったので、おにぎりなど軽く口に入れてから5時23分出発。一応ヘッ電はつけたが、なくても歩けるくらいの明るさだ。日の出前の空の色がいい。そこそこの登りで、どんどん高度が上がる。木々の間から鳳凰山や八ヶ岳が覗く。5時45分頃、秩父あたりだろうか東の低い山から赤い朝日が昇りはじめる。ベストな場所とはいかなかったが、木々の間からきれいに見ることができた。しばらく足を止めてご来光を堪能。
木々の間からご来光
朝焼けの岩肌と月
再び先を目指す。岩肌に朝日があたり、何ともいい色だ。時折霜を踏みしめていくが、支障になるような凍結などはない。最高に近いコンディションだと思う。登りつめた所が八合目御来迎場。ここは名前の通り展望が最高。大日大聖不動明とかかれた石碑がある。もう甲斐駒山頂も近い。巨岩がいくつも積みあがったような山容だが、北岳側から見るのに比べて白くなく、むしろ緑も多いくらいだ。(写真でよく見る)剣が二本突き刺さった大きな岩が印象的。北には八ヶ岳が裾野を広げ、東にはオベリスクが特徴の鳳凰三山とその上に存在感を増していく富士山。北西には白く雪化粧した北アルプス(槍穂など)が。北アルプスに行っていれば、雪で苦労したかも知れない。
八合御来迎場からの甲斐駒
雪の北アルプス 八ヶ岳
ここからコースタイムで1.5時間で甲斐駒山頂だが、なかなかタフだが楽しいコースだ。垂直の鎖場があったり、かなりスリリングなところもある。腕力も使う。ペースもそこそこ速かったせいか、まだまだそんなに登っていないのに、早くも足の筋肉に疲労感が。昨日の疲れが残っているにしろ早すぎる。空は青く、展望、景色がいいのでがんばれる。3,000m級の山はこうでなくては! 道端に少し昨日の雪が残っていたり、岩や枝にツララがついていたりするが支障は無い。霧氷もすっかり解けてしまっている。南側には北岳、間ノ岳、塩見岳といった3,000mの峰々が姿を見せる。昨日から親しく話をさせてもらっていた女性3人組の方に、天然のブルーベリーだと教えてもらう。本当?たしかに似ているのは似ている。ちょっと気が引けたが確認に一粒食べてみた。???断定できなかったが、たしかに味も似ていた。天然のブルーベリーってこんな高山にあるものなのだろうか?
剣立つ岩のシルエットがいい
右は鳳凰と富士山
かなり上に見えていた剣二本がささった岩を巻き、さらに上へ。逆光の朝日にシルエットとなった剣二本の岩、すぐ隣は富士と鳳凰山。本当にいい絵だ。写真を何枚も撮る。写真を撮ったり、登山者と談笑したり、景色を見ながら休憩したり、無理せず登るようにはしたものの、最後は正直心臓バクバク。それでも7時25分順調に甲斐駒ヶ岳山頂到着。
続く。。。
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