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2009年10月19日 (月)

日本三大急登、黒戸尾根から甲斐駒(10月10-11日山行記録(1))

10月10、11日に黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳に登ってきた。黒戸尾根が古くからの信仰登山に使われたルートであること。標高差2,200mもあり日本三大急登といわれるほどのタフなコースであること。梯子や鎖場、岩登りなどもある楽しい?(難?)コースであることは以前にも書いた。最近忙しくて、遅くなってしまったがやっと山行記録をアップしたい。

コースおよびタイムは以下の通り、
横手駒ヶ岳神社6:50-笹の平(横手竹宇)分岐8:40-刃渡り10:02-刀利天狗10:21-五合小屋跡11:00-12:04七丈小屋(泊)5:23-御来迎場6:14-7:25甲斐駒ヶ岳8:11-駒津峰9:02-仙水峠9:50-10:51栗沢山11:22-12:54北沢峠12:55=13:20広河原13:30=15:28甲府(食事)16:18=16:44日野春17:10=横手17:25-17:43横手駒ヶ岳神社

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 栗沢山からの甲斐駒ヶ岳

 

 

 

Kuroto_map   

 

 

 

 

 

 

金曜日のうちに車で横手駒ヶ岳神社に移動。仮眠を取った。往復も考えたが、この長いコースをまた戻るのより、景観の異なる北沢峠側に下りたかったので、面倒だが車は回収することにした。多少バス便の都合がいい横手の登山口を選んだ。

○10月10日(土)曇り時々晴れ(上部は雪・霰だったらしい)

朝目がさめると天気予報に反して曇天。と思いきやパラパラと雨が降り出した。う、嘘でしょう? 傘無しでは歩けないくらいで、正直この時点では山行中止に大きく傾き始める。まぁもう少し様子を見よう? しばらくは車内でうとうとしていたが、まずは駒ヶ岳神社にお参りしようと、傘をさして境内へ。なかなか立派な神社だ。ひと通りぶらっとして、お参りすると、、、雨がやんだ!空の一角には青空も覗く。これは行けというお告げか? 携帯で天気予報を確認、ほとんど予報は変わらず晴れ。ここまで来たんだから行くか。

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 横手駒ヶ岳神社

 

 

 

今回車の回収を考えて、スタートは横手駒ヶ岳神社としたが、駐車場やトイレは竹宇駒ヶ岳神社の方がいいらしい。大半の登山者は竹宇から登る。登山者も利用可能な下側の第二駐車場に車をおいて出発。車は仙人の1台のみだった。すぐにトイレがあり、ここで登山届けを提出する。トイレは入り口に大きな蜘蛛の巣があり、けっしてきれいなトイレとはいえなかったが、紙は備え付けがあった。ここで大スッキリ。予定より少し遅くなったが、6時50分いざ出発。

歩き始めてすぐにクマ注意の看板が。。。しまったクマ鈴を忘れた! 横手からのコースは登る人も少ないので、やや心配に。仕方ないので、分岐までは時々口笛を吹きながら登った。入りは穏やかな登りで、足元の栗のイガが気になる。足元には栗、カシやシイ?のどんぐりがいっぱいだ。大きさ形状はさまざま。季節感があってうれしい。単調だが高度も確実に上がっていく。小一時間、ひとあせ掻いて暑いくらいで見晴台到着。ガスっていてよく見えなかったが、天気がいいと八ヶ岳がきれいに見えると思われる。木漏れ日のなかさらに進むと、「お牧場入口」?とかかれたところに。奇妙な鳴き声が?何だろう??? 鹿だっ!確認できただけでも4,5頭はいたかと思う。続いて木の上の方でざわざわ?何だろう??? 猿だっ!しかも大きい。最低3匹はいたと思う。猿はしばらくこちらを睨んでいたが、どこかに行ってしまった。大阪の箕面の猿を知っているだけにちょっと怖かった。まぁクマでなくて良しとしよう。

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   栗やドングリ      苔むした登山道       少しだけ紅葉も

一部で登山道が細く、谷側に傾斜していて歩きにくいところもあったが、まぁ不安の無いルート。見晴台からさらに一時間、8時40分笹の平、竹宇との分岐に到着。竹宇から登られたかたが3組10名ほど休憩されていた。今まで仙人以外は誰もいなかっただけに、少しほっとした。早くもエネルギー補給におにぎりをひとつパクつく。

周囲はガスがかなりでていて、苔むした登山道といい雰囲気ではある。木々の間からは何も見えず。時折きれいに紅葉した木が単発で出てくる。まだ紅葉には少し早いのだろうか? このルートは歴史ある信仰の登山道なので、ところどころに道祖神のようなものがあるのも悪くない。また苔むした樹林帯の中の静かな山歩きもいい感じ。何組かを追い越し、快調に登っていくと、10時02分刃渡り到着。刃渡りとは、刃のように両側が切れ落ちた岩稜なのだが、足場もしっかりしているし、鎖もあり、まったく不安は無い。ガスで展望が利かないのはかえって怖さを感じ難かったかも知れない。このあたりはツツジ系やカキノキ系の赤、カラマツの黄、シラビソ系の緑と彩り豊かだった。ガスの中なかなかいい感じ。幽玄の世界!

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 刃渡り
 特に危険でもない

 

 

このあたりから梯子も頻出する。近年整備されたのか、しっかりしていて不安は無い。昔はこんなしっかりした梯子ではなかったことを考えると、当時のいっそうの大変さを感じる。装備や食料も今に比べれば不便だっただろうし。途中下山の単独行者とすれ違い。少し上の情報を聞く。七丈小屋から上は霰が降っていて、撤退してきたとの事。霰かぁ~さすがに10月のアルプス、侮れない。ちょっと不安に。刃渡りからひと登りで、10時21分刀利天狗に到着。ここは刀利天狗を祭っているのか、祠が2つある。ここまででスタートの遅れを完全に取り戻せた。いいペースだ。奥にはちょっとしたスペースもあり、ツェルトでビバークもできそうだった。展望はないので、ひと息入れてすぐに出発。

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         梯子も頻出              刀利天狗

しばらく緩やかに登った後、比較的なだらかというか逆に少し下る。地図で見ると黒戸山を巻いていたようだ。もったいないなぁと思いながら下っていくと、前面の視界が開け11時ちょうど五合目小屋跡に到着。視界が開けたといってもガスで前の峰がぼんやり見えるだけだ。おそらく天気が良ければ甲斐駒の雄姿が望めたのではないだろうか? 木材が少し積まれている程度で、小屋の跡はすっかりない。ただ五合目小屋のルーツとなった石室と古屋義成翁のレリーフが残されている。ここから今日泊まる七丈小屋まではコースタイムで1時間。時間的には余裕ができたこともあり、お腹も空いてきたのでバナナに菓子パン半分をパクつく。結果的にここで休みを一本入れたのは大正解だった。また黄蓮谷へのルートの分岐点になっている。

五合目小屋跡から七丈小屋まではなかなかタフな登りだ。一旦鞍部まで下り、そこから登り返す。特に長い梯子はいやらしい。鎖場もあり、少しスリリングな箇所も。ここまでもかなり登ってきているので、疲労が溜まってきていることもタフである。汗びっしょりになって12時04分、今日泊まる七丈小屋到着。予定よりかなり早くついたことに満足。ここで(無愛想だが親切な、といわれる(実際にそうだと思った))小屋の管理人のおじさんと既に到着していた2人組の若者と談笑。寒気が来ていて朝は雪か霰だった。明日は積もるか凍結する可能性もありそうだとのこと。2人組みは展望は諦め、今日確実に通過できる間に甲斐駒を越え、仙水小屋か一気に北沢峠まで降りるとのことで出発していった。小屋のおじさんは仙人に出発時間を確認し、疲れていないようなら4時間で北沢までいけるだろうと教えてくれる。正直2人組の出発には迷った。積雪や凍結がひどい場合は、通行が危険な岩山だ。直登に近いところや鎖場などもあるはず。甲斐駒は一度登っているとはいえ、ここまで来ながら黒戸尾根を撤退するのは辛い。2人組を追うか、空身で今日のうちに一度甲斐駒をピストンしておくか?とも考えたが、結局今日はのんびりして明日の天気に掛ける事にした。なぜって、さすがに今日これから登るのは正直辛かった。また何時雪や霰が降るともわからない天候だったので、無理はしたくなかった。

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 五合小屋跡後のコル
 剣や石碑がたくさん

 

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 七丈(第一)小屋

 

 

続く。。。

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