日本三大急登、黒戸尾根
信仰の山であった甲斐駒ヶ岳に登るのに、昔はこの黒戸尾根のルートが使われていました。今でこそ、甲斐駒は西側の北沢峠からのルートがメインですが、まだ北沢峠に林道ができるはるか昔から登られていた歴史ある登山道です。いたるところに道祖神のようなものや不動神といった遺物があります。また日本三大急登といわれるハードなルートで、登山口の駒ヶ岳神社(横手、竹宇)から山頂まで単純な標高差で2,200mもあります。(ちなみに北沢峠からだと940mほど) しかも鎖場や梯子、そこそこスリリングな岩場もある。甲斐駒は黒戸尾根からでないと登ったと認めない、という人がいるといわれているコースなのだ。きまま仙人も一度は行かないといけないと温めていたプランだった。ちなみに日本三大急登とは、黒戸尾根以外に北アルプス烏帽子岳のブナ立尾根、谷川岳の西黒尾根だ。また北アルプス三大急登とか三大バカ登りといわれるものもあり、ブナ立尾根の他、燕岳の合戦尾根、剣の早月尾根であるが、早月尾根の代わりに鹿島槍の赤岩尾根または笠ヶ岳の笠新道が入る説もある。仙人はこれで全制覇だ。客観的には中でも黒戸尾根が一番厳しいと思う。が、今回は七丈小屋で一泊していることと、装備がそこまで重くなかったこと、、真夏の暑さではないことを考えるとまぁまぁ余裕だった。装備が重かったし、暑かったこともあり、ブナ立尾根が一番辛かった記憶がある。
今回この黒戸尾根を選んだのは、もともと温めていた計画であったこともあるが、他にも理由があった。ひとつは西穂奥穂をクリアしたことやそこそこ夏もジョグできたこともあり、体力的に不安が少なかった。ふたつ目が今年は七丈小屋がヘリの都合で食事の提供をしていない。そのため登山者が少ない、連休でも小屋がそこまでは混雑しないと予想したから。(これは結果的に正解だったと思う。) 3つ目は、最近高速も渋滞がひどいし、深夜に帰宅して翌日から仕事というのはできれば避けたい、と思うようになったので、1泊で行ける計画から選んだためだ。今日月曜午後野暮用を入れたかったこともある。ちなみに10月なので、3,000m級は雪も?という心配も頭をよぎったが、天気予報がよかっただけに気にもせず。(寒気が来ていたので土曜日は雪、霰が降ったようです。危なかったです。)
登山口への交通が不便なので、車で行って往復も考えたが、このコースは正直往復はしたくなかった。(トレランのトレーニングならありかも。) あと、摩利支天とかまわろうとすると時間的にもコース的にも厳しい。早朝の電車で行って、駅からタクシーを使ってもそんなに早くは発てない。北沢峠から登山口に戻っての車の回収は時間的に大変だが、可能そうだったので車で出ることにした。できればタクシーを使わずに、と唯一使えそうなバスの時間を考え、横手駒ヶ岳神社の登山口を選んだ。登山口は横手と竹宇、両駒ヶ岳神社の2つあるが、竹宇の方が距離が少しだけ短く、駐車場・トイレもしっかりしているようで、多くの登山者は竹宇駒ヶ岳神社から登るようだ。小屋で同宿の方に聞いたのだが、深夜バスで行くのがいいらしい。
コースとタイムは次のとおり、最後に横手のバス停から神社まで歩くのはうれしくないですね。
横手駒ヶ岳神社6:50-笹の平(横手竹宇)分岐8:40-刃渡り10:02-刀利天狗10:21-五合小屋跡11:00-12:04七丈小屋(泊)5:23-御来迎場6:14-7:25甲斐駒ヶ岳8:11-駒津峰9:02-仙水峠9:50-10:51栗沢山11:22-12:54北沢峠12:55=13:20広河原13:30=15:28甲府(食事)16:18=16:44日野春17:10=横手17:25-17:43横手駒ヶ岳神社
はっきり言って予想通りなかなかハードなコースだった。(今回栗沢山にも登ったので、2日で3,000m以上登ってます。) なので今回も足は筋肉痛だ。特に七丈小屋から山頂までは、景色もよく、鎖場など少しスリリングで面白いのだが、かなり筋力を必要とする登りだった。五合小屋跡から七丈小屋間も梯子が多く、タフではある。が、梯子は規則的に一定の力で登れるので、かえって楽だったかもしれない。その他詳細は別途山行記録で書きたいと思います。でも今月仕事が結構忙しいので、山行記録は少し先になるかも。。。
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