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2009年9月16日 (水)

時計コレクション (37) Seiko Time Sonar(Cal.7015)

今回は6月以来久々のセイコーの70系クロノグラフを紹介しよう。セイコータイムソナー(Time Sonar)。70年代としてはめずらしいというか、斬新な両面スケルトンといわれるモデルだ。文字盤も透けてカレンダーの表示盤全体が見えているし、裏蓋も半透明のプラスチック製でムーブメントが覗ける画期的なケースとなっている。

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デザイン的には本当に面白い。ムーブメント好きのきまま仙人としては、スイス時計のムーブメントに比べて見劣りするとはいえ、セイコーのムーブでもいつでも覗ける裏スケなのはうれしい。とはいいいつつも透明ではなく、黒っぽいプラスチックなので、現行の裏スケとはちょっと違い、機械を見せるというより、透けて見えるところを狙ったデザインなのだと思う。

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 当時の裏スケは珍しい

 

 

 

かなり昔に、平和島の骨董市で見かけたときに即買いした。裏蓋のプラスチックが少し状態が良くないものの、それ以外は動作も含めて悪くない。最近は平和島の骨董市も掘り出し物的なものやジャンク系のものが少なくなってきた感じがするが、以前はよく出かけ、国産のクロノグラフを中心によく物色していた。1万円か1万円強でこの手のものがいろいろ買えた。もちろん保証はないし、OH歴も不明だ。

資料やネットなどで他のタイムソナーを見ると、ムーブは通常のCal.7015とは違い、ローターが黒いものになっている。おそらく仙人のこの時計は、後になって腐食か何かのためにローターの交換がされたのではないかと思われる。特徴のひとつなだけに少し残念だ。タイムソナーはこのモデル(1st、文字盤の色として大きくグレー系と茶系がある。)の他に、後継モデル(2nd)として6時位置に30分積算計を持つCal.7018を搭載したものと、ひと回り小ぶりなレディースがある。Cal.7018搭載のものは積算計があるせいか、前面の文字盤側はスケルトンにはなっていない。また1stについて言うと、クロノグラフ針の色などで数種のバリエーションがあることはわかっている。

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 カレンダー表示盤が透ける

 

 

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 ムーブメントは70系

 

 

 

Cal.7015について少し触れておきたい。70系の系統についてはこちらを参照していただきたい。Cal.7015は自動巻き(手巻き不可)、6振動。見たとおり積算計は無い。したがって1分以上の計測には長針位置を覚えておく必要がある。カム式、垂直クラッチ式、フライバック機構付きである。亀戸の第二精工舎製だ。70系だけに限らず、セイコーのこの頃のムーブメントは手巻き不可のものが結構多く、使用頻度が低いため竜頭がほとんどケースに押し込まれるような構造が多い。そのため出っ張らないスッキリした形状を持つ。自動巻き機構にもかなり自信を持っていたことが伺える。ただ間違いなく不便であり、時刻合わせもやりづらい。

国産のクロノグラフは、いろいろ面白いデザインのものが多い。このタイムソナーもまた、間違いなくユニークで記憶すべき存在だと思う。

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コメント

Perfect work!,

投稿: Crirawia | 2009年10月11日 (日) 13時20分

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