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2009年9月 2日 (水)

時計コレクション (35) Citizen Recordmaster (Cal.5702)

今回紹介するのは、シチズンが初めて作った機械式クロノグラフ、レコードマスター(Recordmaster)だ。シチズンのクロノグラフというとCal.8100系のチャレンジタイマーというイメージだが、セイコーのクラウンクロノに遅れること3年、1967年にこのレコードマスターが販売された。

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 シチズン初のクロノグラフ

 

 

 

セイコーのクラウンクロノがクラウンをベースにクロノグラフ機構を付加したのに対し、このレコードマスターはホーマー(デイト)をベースにクロノグラフ機構を付加したものです。

セイコーのクラウンクロノがワンプッシュクロノで、ピラーホイール、キャリングアーム(トランスミッションホイール伝達方式)であったことを考えると、このモデルはその後の国産クロノグラフの方向性を示した重要なモデルであったと思う。チャレンジタイマーが発売される72年までの5年間販売されていました。69年には自動巻きであるセイコーのスピードタイマーが発売されており、そのため製造本数もそれほど多くないと思われます。したがって歴史的に非常に意味のあるモデルながら、クラウンクロノに比べて、かなりマイナーです。

この時計以降の国産クロノグラフは、一般的なスイスのクロノグラフ同様の2ボタンではありますが、垂直クラッチ式伝達機構、永久秒針なしというスイスとは違う特徴ある形式となっていきます。日付・二ヶ国語対応曜日表示のカレンダも国産の大きな特徴ですが、この時点ではまだ曜日表示はありません。特に垂直クラッチ式伝達機構は、今でこそトレンドとなっている機構ですが、当時この方式の採用は画期的といってもよく、セイコーよりも早かったことになります。コストダウンや以降の自動巻き機構の追加に向けて、大きなメリットがあります。この機構は中三針の構造がそのまま使え、センターの四番車と同軸のクロノグラフ車をクロノグラフバネ(堅バネ)で接断します。この基本アイデアは既に1940年代スイス製「ピアース」クロノグラフにも使われていたようですが、三番車にかみ合うクラッチ付きカナをもつなど構造も少し違い、より複雑だったようです。そういう意味では独自の画期的な新機構だったと考えていいように思われます。(トンボ本国産腕時計④シチズンホーマー参照)

Citizenのクロノグラフの系統については、チャレンジタイマーのところで触れたので、ここでは割愛します。

35_citizenrecoedmaster_03  

 ピラーホイールが確認できる

 

 

 

この時計のムーブメントCal.5702は5700、5701に続くモデルで、レコードマスターとしては後半の製品と思われます。改良点は耐久性・安定性向上のためもマイナーチェンジのようです。文字盤や裏蓋には570014Yとあることから、ムーブメントは交換された(いわゆるガッチャ?)可能性があります。仕様は手巻き、5振動/秒(18,000振動/時)、21石、日付表示。クロノグラフはピラーホイール、垂直クラッチ式伝達機構、フライバック機構付き。残念ながら積算計がないので、1分以上は長針位置を覚えていないとわからず、計測しづらい。垂直クラッチのためクロノ動作はわかりにくいですが、裏蓋を開けるとピラーホイールの動きは良く見えます。ただセイコーのクロノグラフと同様に、コストダウンのためか、各パーツがちゃちいのは否めない。

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ラウンドの黒の文字盤に、夜光の入った細い針、バーインデックス(これも夜光入り)にタキメータがつけられています。今でも十分通用するかっこ良さを持っていると思います。70年代になると斬新・スポーティーなデザインのものが増えますが、仙人はこのレコードマスターはシンプルかつ機能的で親しみと好感が持てます。ねじ込み式の裏蓋になっているので、防水性はクラウンクロノよりも高い。仙人は見たことがないですが、資料によると、レコードマスターのブラッキー仕様のものもあるらしい。

マイナーとはいえ、きまま仙人としては国産クロノを語る上で忘れて欲しくない一本です。

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