時計コレクション (32) Casio Lithiume Chrono 95QS-42
日本でのリチウム電池の販売が94年、水銀電池の生産中止が95年。モデル名のLithiume / 95というのは95年にリチウム電池(CR2320)使用の新しいモデルとして作られたのではないだろうか? そこから推測すると、95,6年製、10年強前の比較的新しいモデルといえる。
電池はCR2320
電池こそリチウムに進化したが、このタイプの時計は70年代から今もあるにはある。(形、材質含めて近いものは今なお売られている。) が、近年はGショックに代表されるような、プラスチックケースやチタンケースのラウンドを基本としたものが主流となっている。この時計は、四角の液晶表示部を中心に、TVスクリーン型、ステンケースとやや古めかしい感じは否めない。70~90年代の普及機らしいデジタル時計だ。ブレスもオリジナルだが、7連の滑らかに動くステンレスブレスで、はめた感じは非常にいい。ただブレスの各コマは薄く、ちゃちい感じがするのは値段相応ではある。液晶表示も決して見やすいとまではいえないが、まぁこんなもんだろう。
今は手元に残っていないが、大学時代に一時期この手のデジタルクォーツ時計を使っていた。たしか4~5千円のものでSEIKOかALBA(セイコーのセカンドブランド)だったと記憶している。正確、薄くて軽い、落としても壊れにくいなど学生が使うには申し分なかった。その頃からすると、この時計は10数年後のモデルということになるが、電池以外はほとんど変わっていないという気がする。当時から完成度が高かったというべきか、進歩がほとんどないというべきかは難しいところだが。。。
クォーツ時計もデジタル時計も、出始めた頃は非常に高かった。しかし75、76年頃一気に安いデジタルクオーツ時計が大量生産されるようになったのは、印象に残っている。当時初めて買ってもらった時計が2万円強。それに対してこの時計のような安いデジタルクォーツは、安いのは1000円を切るものが売られていた。みんなが時計を持てる時代、普及という意味でのこの手の時計の功績は少なくない。同時にこれこそがスイスに大打撃を与えたクォーツショックの正体だと考えると何とも印象深い。この時計はクォーツショックの頃に作られたものではないが、その頃を思い出させる一本のような気がする。
時刻、曜日表示
クロノグラフ表示
機能としては、通常表示が時刻と曜日(+午前午後表示)。右上ボタンでライト、右下ボタンで日付が表示される。左下ボタンで機能切り替えでき、ひとつ押すとストップウォッチ(1/100秒MAX7時間クロノグラフ)、ふたつ押すとデュアルタイムをひとつ表示できる。カシオのデジタル時計としては、アラームなどもないし、機能としてはいたってシンプルだ。資料がないので、ムーブメント番号などはまったくわからない。
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コメント
懐かしい時計をお持ちで、私もこの時計を持っています。
今39歳の私が小学生の時に父親に頼みこんで初めて買ってもらった時計です。
調べるとUSの資料が見つかりました。
http://www.digitalwatchlibrary.com/advert_gallery/image_full/2896/
この資料と私の年齢から小学生の年代である大体1979年ごろのものであると思います。
当時9000円以上で購入したものだったと記憶してます。
資料のUSでの$39.95という価格と、プラザ合意前の当時の為替レート200~250円で計算しても、おおむね一致する価格です。
この記事をみて、懐かしい時計を引っ張り出しました。
あぁ、本当に懐かしい。
こんな古くて希少価値があるわけでもないデジタル時計の記事のおかげで、懐かしいひと時を得られました。
ありがとうございました。
投稿: 懐かしい | 2010年5月15日 (土) 18時16分
ご指摘ありがとうございます。
私もその後少し調べてみました。
どうもリチウム電池とリチウムイオン電池を混同していたようで、日本でもリチウム電池は76年頃から販売されたようです。リンクを教えていただいた資料から80年前後の製品であることは間違いないですね。
米国での価格もわかり、思わず話が広がりよかったです。
貴重な情報をありがとうございました。
また、気が付いたことがあればコメントいただければと思います。
投稿: きまま仙人 | 2010年5月18日 (火) 21時05分