« 何とか北岳から戻ってきました。 | トップページ | 時計コレクション (30) Roger Dubuis Sympathie Chronograph(RD56) »

2009年7月21日 (火)

昨日書いたように、台風並みの暴風のため、日曜日は歩き出したものの勇気ある?撤退をして、一日北岳山荘でごろごろしていた。

時間は余るほどあったので、山小屋の本棚にあった本を物色。以前から気になっていた石塚真一さんの漫画「岳」があったので、読んでみた。なかなか泣ける。。。。

Gaku1  

 

 

 

小屋で時間がたっぷりあったので、本棚を物色していると「岳」の9巻(どうも一番新しいものらしい)があった。たしか山渓かJOYかで紹介していたのを見て気になっていた漫画なので、読んでみた。これがなかなか面白い。

読み終わってしばらく別のものを見ていると、同室の人が3-5巻を見つけてきた。ひと声変えて回し読み。どうも1巻から9巻まで揃っていたようだが、人気のため誰かが持ち出しているようだ。結局同部屋のだれかが時々チェックに言っては、読んでないものを取ってきて、2巻と8巻以外の7冊はすべて読んだ。普段漫画はまったく読まないので、こんなにまとめて漫画を読むのは久々だ。

話は一話完結のものが多く、1巻から順に読まないとストーリーがわからないということはほとんどない。(たまに昔の話の登場人物が再び登場したりはするが、、、) いや楽しめました。山好きにはお勧めです。

主人公島崎三歩は世界中の山を登ったあと、今は北アルプスの山岳救助のボランティアをしている。超人的な体力やスキルを持つスーパーレスキューという設定。山が好き、みんなに山に来てもらいたい、人を信じ人に優しい、約束を守るなどの単純な思想以外は極力持たせていなくて、シンプルな愛すべきヒーローとなっている。

そういう意味では物語上の主役は、遭難者であったり、その家族、山岳救助にかかわる人達であり、毎回一話完結形式で違ったストーリーを作り出している。その中で三歩が心憎い役割を演じるわけだ。中でもじーんとする泣ける話が時々あって、何度も目頭が熱くなった。生死のかかわる話が多く、山に登る意味にも人生をかぶせられるので、生き方を問うような重量感のある話ができている気がする。各登場人物のキャラ設定もよくできていて面白い。ただこの手の漫画にしては人がよく死ぬ。落石でばらばらになった死体など、少々グロテスクな絵もあるのは気になる人もいるかもしれない。

きまま仙人は基本冬山には行かないし、ハーネスやザイルがいるようなところも行かない。そういう点では馴染みのない世界も多かったが、よく知った地名が出てくるのは親しみが持てる点だった。

三歩にいろいろな精神的思想や哲学、現実的な夢を持たせ過ぎたり、語らせたりすると、ストーリーを作りにくくなるのはわかるが、彼はこれから何を目指して何をしたいのだろうか?というのはやはり気にはなる。一生ボランティアとして生きていくのだろうか? 家も持たず、わずかな謝礼で食料や衣類、装備を買い、生活をしていくというのだろうか???

|

« 何とか北岳から戻ってきました。 | トップページ | 時計コレクション (30) Roger Dubuis Sympathie Chronograph(RD56) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: :

« 何とか北岳から戻ってきました。 | トップページ | 時計コレクション (30) Roger Dubuis Sympathie Chronograph(RD56) »