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2009年7月30日 (木)

トムラウシでの登山ツアー事故について

北海道のトムラウシで登山ツアーの18名が遭難し、8名が死亡するという事故が起こった。先日はNHKのクローズアップ現代で、4人の生存者の証言を交え、まだ調査中なので断定できないとしながらも、事故の分析をしていた。他にも生存者の証言でいろいろ検証している番組もあった。

先の3連休、きまま仙人も南アルプスの北岳で暴風のため、一日停滞を余儀なくされた。他人事ではないので、少し触れてみたい。

このコースはきまま仙人も2003年にテントを担いで、4人パーティで行ったことがある。(記録はこちら)たしかにすばらしいコースで、非常に楽しい山行だった。仙人らは出発前に旭岳温泉のキャンプ長で一泊、白雲岳避難小屋のテント場とヒサゴ沼のテント場で泊まった2泊3日の山行だった。今回コースはほぼ同じと思われるが、宿泊場所や一日の行程については確認していない。特にトムラウシは短縮登山口までだとしてもかなり距離がある。自力で下山した人も相当大変だったろう。

何と言っても問題とされるのは当日朝出発時のガイドの判断だろう。判断材料は、当日の天候・予報、及び装備、メンバーの体調であるので、状況を知らない仙人が軽々しくガイドの判断が間違いだったといえるわけではないが、結果としてこの判断が問題だったことは否めない。仙人はこういうツアーに参加したことはないが、北アルプスなどでガイドの方と話をしたことが何度かある。わざわざ時間とお金をかけて来た人達に、中止や下山を伝えても必ず行けるのにという不満をいう人はいるという。また、下山後の予定を組んでいるので、無理でも下山したいという人もいるという。こういう状況がガイドの判断を”決行”に傾かせたのではないだろうか?ビジネス、顧客満足、安全の両立は簡単ではない。特に山を侮った参加者の顧客満足は。

あと百名山ブームも気にかかる。特に北海道の山は関東や関西の登山者からすると、わざわざ来た感が強く、簡単に登頂を諦めにくい。きまま仙人のように百名山を達成してしまっていると、少しはピークにこだわらなくなるのだが、、、(ちなみにきまま仙人は羊蹄山で体調が悪くなり、一度登頂を諦め下山したことがある。翌年登りなおした。) 私が今年小秀山であった方は百名山を完登されて、二百名山を目指されているようだったが、聞くと大雪も姿見から往復のみ、トムラウシも短縮登山口往復、十勝も望岳台往復。もっとゆっくり頂上以外も味わって欲しいなぁと思った。こういう方は、目的そのものが悪いとは言わないまでも、登頂が目的なので簡単に諦めにくいのではないか。

もうひとつは個人の装備だ。北アルプスのメジャーコースくらい小屋(それもお金をだせば食料やTシャツなどは買える。)が多ければ、まだ安全度は高いが、特に今回のコースならテントやツェルト、ストーブ(EPIのようなコンロ)などはどうだったのだろうか?分散する前にテントを張って非難、救助を頼むということはできなかったのだろうか?もちろん遭難場所が山頂周辺だとすると、どこまで移動してテントを張るかとういう問題はあるが、頂上直下の南沼のテント場の状況はどうだったのだろうか?いずれにしてもツアー客がばらばらになって下山したのは、個人装備がしっかりした人以外は厳しかったと思う。ガイドの問題点のひとつは、ばらばらに下山するしかないような指示、対応にあるとは思う。テントやツェルト、ストーブがあれば、低体温症で凍死するということは避けられたのではないか?と思うのだが。

いずれにしても山は侮ってはいけない。仙人も振り返るとひとつ間違えると危険だったなぁと思えることは何度もあった。鳥海の雪渓でガスで視界が利かず違った方向に下りかけたこと、塩見や白馬の稜線で雷にあったこと、妙義の尾根コースで下山ルートを間違えたこと、幌尻で軽い脱水症状を起こしたこと、裏銀座三ッ岳付近でバテた上に足がつって歩けなくなったこと、、、などなど武勇伝のつもりではないが多々あった。ただ雷は運がよかったというほかないところもあるが、その時その時判断は大きくは間違っていなかったと思う。今後も自然と自分(メンバー)の調子を見極め、慢心せず慎重に行動したい。

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コメント

下記のサイトをご覧下さい。生々しい現場のの証言です。

北海道大雪山系 トムラウシ山 大量遭難を考える。 今回の事故について戸田新介様のご意見 と 幾つかのご回答
http://subeight.wordpress.com/2009/07/31/mr-toda-text/

投稿: torlls | 2009年8月 2日 (日) 02時09分

生々しいですね。が、いろいろ参考になります。今後このような事故が起こらないよう、自分自身も気をつけたいですね。

投稿: きまま仙人 | 2009年8月 2日 (日) 21時07分

登山は楽しい趣味と思っていましたが、再度、自然の恐ろしさを痛感致しました。

投稿: オイルヒーター | 2009年9月28日 (月) 20時23分

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