暴風!の北岳(7月18~20日山行記録(4))
風は強いものの、歩けないことはない。というより展望や花を楽しむ余裕も。北岳を見ながら進むのは、目標が見えていていい。徐々に間ノ岳や塩見岳、南アルプス南部の3000m峰がはっきりと確認できるようになる。残念ながら風雨で花はかなり傷んでいるものが多いが、それでもさすがに花の山北岳だけのことはある。(といいながら今年はやや遅いため少ない感じはする。)
約1時間、ひとがんばりという感じで6時31分北岳山頂到着。すでに山頂は大勢の人でいっぱいだ。(2日前とは大きな違い) 山頂も風があり、止まっているとやや寒い感じがするものの、大展望に感謝!苦にならない?ほどだ。名のある山を並べてみると、北から甲斐駒、八ヶ岳、八の後ろは浅間や四阿山か?、さらに右に日光方面?の山々、鳳凰三山、その後ろには奥秩父の山々、丹沢、富士山、間ノ岳、重なってかすかに悪沢岳、中白峰、塩見岳、恵那山、西に中央アルプス、その後ろに御嶽山、乗鞍、北アルプス、手前に仙丈岳とそうそうたる山々。北アルプスは肉眼でも主要な山が確認できたほか、双眼鏡で見ると槍穂はもちろん後立山の峰々が白馬まで確認できた。何といっても3000m峰がいくつ見えているのか?ややどんよりした感じで写真にするとコントラストが出ていない部分もあるが、本当に大満足の展望だった。下を覗くと残雪の残る大樺沢が望める。あれだけ雪があるとやはり危険はある。
どっしりとした間ノ岳
右奥には塩見岳も
富士には笠雲
たっぷり堪能して、7時18分下山開始。花を眺めながら降りる。ハクサンイチゲはもちろん、タカネツメクサ、イワウメ、イワベンケイ、タカネシオガマ、ミヤマオダマキ、オヤマノエンドウなどなど楽しませてくれる。ただ探していたタカネマンテマ(南ア固有種)やチョウノスケソウは見つけられなかった。肩の小屋を過ぎ、小太郎尾根の分岐で小休止。パンを食べてエネルギー補給。ここまでくれば風の心配もなく、ひと安心。ここで雨具の上も脱いでしまう。
上左:ハクサンイチゲ
上右:イワウメ
左:シナノキンバイのお花畑
しばらくはシナノキンバイのお花畑をくだり、そのうち樹林帯に入っていく。暑い、日差しも出てきた。「いいお天気になりましたね。」と登って来る人とひと声掛け合う。稜線は風が強いことは黙っておいた。9時28分二股着。雪渓の雪解け水が冷たくておいしい。キックステップを切って雪渓の上を少し歩いてみる。このあたりでもすべると危険はありそうだ。ここで小屋弁を広げる。野菜類はさすがに少ないが、なかなかしっかりしたお弁当で、ご飯は酢飯というかバラ寿司のような感じ。なかなかおいしかったです。1100円、山小屋なのでこの値段も仕方ないか。
二股から残雪の残る大樺沢の雪渓を見上げる
ここからはひたすら下る。以前は左岸中心に道がついていたような気がするが、かなり右岸を歩く部分が多かったような。ルートが付け替えられたのだろうか? 大樺沢は次第に雪もなくなり、川となるが、水量は多い。下るにつれ道がじめじめしてくる。かわいい徒渉も何度か。ただ危険なところはない。快調に11時52分広河原到着。
広河原からの北岳
既に空はどんより
いろいろあっただけに正直安堵した。帰りも乗合タクシーを頼み、芦安駐車場へ。移動するのも気が進まなかったので、バス停近くの白峰会館の温泉550円で汗を流して帰宅した。温泉はすいていてよかったが、湯船と洗い場4席しかなく、あまりお勧めはしない。
いずれにしても記憶に残る印象深い山行になった。
おしまい。
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