ゴーギャン展
今日は5時半くらいに起きてジョグしようと思っていたのだが、昨夜仕事のお付き合いで飲んだこともあり、あえなく早起き失敗! それでも梅雨の合間、まずまずさわやかな朝だったので、7時前には起きて軽く両国橋まで走ってきた。やはり7時だともう暑い。
そのあと天気が思ったよりよかったので、買い物だけではもったいないかとネットを調べだして急遽ゴーギャン展に行くことにした。ネットで見る限り、朝一でなくても混雑していなさそうだし、会期はまだあるものの、夏の休日は予定が多いので、行けるときにと思ったからだ。
ゴーギャンは知ってのとおり、有名な画家であり、いろんな美術館で多々見てきている。が、今回の展覧会がフェルメール展やルーブル展などと比べても混んでいないように、今ひとつ人気がない。きまま仙人もやはりそれほど好きな画家ではない。しかしこれだけまとめて作品を見る機会はなかったし、体系的に見せてもらうこともなかった。そういう意味でも今回のゴーギャン展は面白かったし、ゴーギャンという画家、ゴーギャンの良さが改めて少しわかったように思う。
久しぶりの近代美術館だった。ほとんどの作品(全部だったかも)に短い解説が付けられていて、わかりやすい見せ方がされていた。全体にはタヒチ前、タヒチ、初めのタヒチから帰国して以降の3部で構成されている。
ゴーギャンが人気のない理由としては、まず色が何となくくすんだような、鮮やかさが他の印象派の画家の作品に比べて足らない点。もうひとつ人物の表情やポーズに面白さが少ない点、ではないだろうか?すくなくとも仙人がそれほど好きではないのはそういう点が大きい。
今回改めてよくわかったのは、ひとつは色の大胆な配置。特に赤と緑の補色を意図的に配置しているのは面白い。仙人の好みとしては、もう少し濁りのない色を使ってほしかった気もするが、、、次にこれも大胆な単純化と思いきったデフォルメ、意外な配置の妙だ。この2つはまぁ前から理解していたつもりではあったが、これだけ一度に多くの作品を見ると強く感じる。
さらに今回少しわかったのがゴーギャンの描きたかったものの精神性というか、作家の心理というもの。繰り返し描かれているエヴァや月の神、ミイラからその形をとった膝を抱え耳をふさぎ苦しみを耐えているかのような人、2人で何かをささやき合っている人、子供の誕生などなどの意味している、象徴しているものを知ると、ゴーギャンが描きたかったものがわかってきたような気がする。いやわかってくる。そういう点でも日本初公開という「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこに行くのか」(何と長いタイトル)は、この1点だけでも見る価値があった。仙人は昔ボストンで見たような気がするが、駆け足だったこともあり、当時の印象はまったくなく、新鮮に見せてもらった。細部の解説が別にあり、解説と絵を何度も行き来して見比べるのは面白かった。鳥が踏んでいるものがトカゲだとか、ぼんやり書かれた何だろうという部分が水浴の絵だったりとかは解説がないと全く見ただけではわからない。が、わかって見るとゴーギャンの書きたかった絵巻のような世界が浮かんでくるようだった。
その他印象的だったのは「ノアノア」の連作版画。ゴーギャンの版画ということ自体、ゆっくり見た記憶がなかったし、自ら摺った自摺版、ロワ版、ポーラ版と見比べるとその違いは大きく、非常に面白かった。あと自画像。ゴーギャンらしくない?絵で画家としての主張が出ていてインパクトがあった。また「オヴィリ」という石膏像も面白かった。これはタヒチの女性の絵から立体の像にしたようなもので、顔のゆがみといい不思議な楽しさがある。ゴーギャンはこれを墓石にしてほしかったらしい。もちろん西洋美術館の絵や大原美術館の絵など有名な作品も見られ思っていた以上に楽しめた展覧会だった。何といっても芋を洗うような大混雑でないのがよかった。
本当に久しぶりの近代美術館だったので、常設展もざっと見せてもらってきた。藤田や棟方、上村松園、梅原龍三郎、佐伯祐三などなどいい絵は多い。が、朝から走って、美術館を歩きまわって、恥ずかしながら結構疲れてしまった。肝心の買い物はかなりパスして早めに帰宅した。。。でもなかなか充実のいい一日でした。
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コメント
突然のコメント失礼致します。
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投稿: sirube | 2009年7月12日 (日) 01時51分