暴風!の北岳(7月18~20日山行記録(3))
2日目、19日朝4時起床。すぐに外へ出て天気を確認するが、あたりは真っ白。雨はさほど気にならなかったが、風は相変わらず強い。日の出はもちろん期待できないし、即座に間ノ岳ピストンもパスを決める。逆に時間的余裕はできたので、自炊室へ行ってゆっくり朝食。6時過ぎに出発。
小屋で天気情報を確認すると、台風並みの暴風とのこと。トラバースルートの方がいいということで、八本歯への分岐までトラバースルートを行く。展望もなく、視界も良くはないが、トラバースルートは風も強くなく花がきれいだ。特にハクサンイチゲのお花畑はすばらしい。花だけなら稜線の道より楽しい。順調に分岐に出、そこから少し登り返すと稜線の分岐に出る。ここから北岳山頂まではコースタイムで20分だ。
ところがここで10数人の人が待機している。風が強いからだ。一本入れ、風が和らぐのを待っていると、小学生の女の子とお父さんの二人ずれが北岳を越えてやってきた。女の子は寒さもあってか震えている。ここからのトラバースルートはもう大丈夫だよと励ます。ただ女の子が通れたことで、少し安心はした。まず2人組が出発、すると片方の男性が強風に煽られて転倒。まわりに緊張感が。ザックカバーだけでもはずしておいた方がよさそう。きまま仙人はすでにはずしている。仙人も出発しようと稜線に立つが、立っているだけで精一杯のすさまじい横風。ストックをついて踏んばる。いったん少し下がり、風の様子を待つ。
しばらく様子をみたものの、風はいっこうに弱くならない。今日中に下山したい気はあったし、がんばれば通過はできるだろうとは思ったが、潔く停滞を決意。北岳山荘に逆戻り。8時12分山荘到着。天気予報では明日は前線が南下し、少しはよくなりそうだったので期待。ただ南下?というのは気になるし、問題は天気というより風だ。心配がないわけではない。
ここからは有り余る時間ぽーっとして過ごした。マンガの「岳」を読みふけったことは既に書いた(こちら)。同室の方はほとんど停滞の人のようだ。残食糧を見直し、大丈夫かとも思ったが、翌日は小屋弁を頼んだ。考えてみると小屋弁なんて食べるのは初めてだ。この日は一日中雨もしとしと。風も時々おとなしくなった時もあるが、不安な風音は一日中続いていた。それでもだらだらしていても時間は過ぎるもので、明日の天候回復を祈って眠りにつく z z z z
夜中ふと目が覚めた。すごく寝た感じがしたがまだ12時過ぎ。相変わらず風の音がすごい。不安が募る。少し穏やかになると、このまま行ってくれという祈るような気持ちに。下山や翌週の予定のシミュレーションをしてしまう。結局何度もうとうとはしたものの、朝までほとんど眠ることはなかった。しかし、風音は止むことなく、、、
4時起床。すぐに外を確認するが、天気はいい。風はやはり強い。幸い部屋の窓から日の出が見える方向だったのと、同室の人が早立ちや外に出たためほとんどいなかったので、お湯だけ急いで自炊室で沸かして戻り、部屋から日の出を眺めながら朝食。部屋から日の出を見るなんてなかなかないことだ。外でも大勢の人が日の出を見ていた。少し寒そう。池山尾根のあたりから眩しい朝日が姿を見せる。少し南に目を移すと朝日に照らされた富士山がとてもきれいだ。北岳もくっきり見えている。これだけでも一泊してよかったと思う。雨は心配なさそうだったので、風の影響を避けるためもあり、雨具は上だけで出ることにした。
神々しいご来光
朝日に照らされる富士
昨日よりも少し早く、5時26分山荘を出発。まず稜線に出て展望を楽しむ。部屋からは見えなかった間ノ岳に続く中白峰がくっきり見えた。昨日まで真っ白だった場所に。中央アルプスなどもくっきり。山頂からの眺めが楽しみだ。風も何とか歩ける。展望がいいだけにトラバースルートではなく、稜線を行くことにする。夜不安だっただけに、この程度の風であることに安堵。とにかく歩き始めた。
続く。。。
中白峰、3000mの稜線
北岳
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コメント
初めまして、三太夫と申します。
私は、14、15日に登りました。15日が風が強かったのを除くと、両日とも梅雨の最中とはおもわれぬ好天に恵まれました。
レポートは、読み易くかつ内容の記述に無駄がなく私も見習わなくてはとおもい、これからは時々覗かせていただきます。
それでは、また。
投稿: 三太夫 | 2009年7月28日 (火) 01時43分
コメントありがとうございます。
お褒めの言葉、恐縮というか気恥ずかしい限りです。マイペースで書いていきますので、ぜひ時々見てやってください。
投稿: きまま仙人 | 2009年7月28日 (火) 20時36分