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2009年7月 8日 (水)

時計コレクション (28) Mac-Ai Classical Chronograph(中華茄子)

この時計はFMWVで知り合いになった、Mac-Ai(魔界)のTさんから譲っていただいた。Mac-Aiの「自分でトゥールビヨンの時計やクロノグラフを作ってしまおう!」という発想、行動力には本当に感心する。Mac-Aiについてやこの時計そのものについては「プアマンズ コンプリケーションの館」をご覧ください。きまま仙人は初めて知ったとき、感動ものでした。そんな活動に賛同すべく、一本購入させていただきました。

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 中華茄子の金メッキ版

 

 

詳しくは上記HPに書かれてあるので簡単に書きますが、この時計のムーブメントは名機「ヴィーナス175系」に酷似していることから中華茄子(ヴィーナス⇒ちゅーかなす)と呼ばれます。なぜ「茄子」の字が当てられているかは不明ですが、、、聞いたところによると、裏は取れていないですが、ライセンスは取得している?とのことです。ロシアが絡んでいるという説もあり、そういう経緯を想像しただけでも楽しいではないでしょうか?

仕様は勝手に上記HPから転記させてもらいます。ケースはSUS316系、裏スケ、風防はカーブサファイヤ。裏スケのガラスも当然サファイヤ。文字盤はフェイクポーセリン(ポーセリンもどきということですね!)。6振動/秒(21,600振動/時)、20石、ブリッジなどはコート・ド・ジュネーブ風&金メッキ。針は塗りとのことですが、ネジはブルースチールと聞いています。いや価格を考えるとびっくりするような高級仕様です。操作感も非常にいいです。中国製ムーブだから、、、なんて侮ってはいけません。デザインもこだわりがあっていい。バンドもネジ留めです。ムーブメントは中国のシーガル(SEA-GULL)社(天津海鴎表業集厰有限公司)製のST-19系のようです。ちなみにシーガル社はトゥールビヨンモジュールも生産しています。

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 ポーセリンライクな文字盤

 

 

さて、ここからはきまま仙人には真偽のわからない、調べようのない世界に入っていきます。ネットの情報などをいくつか調べると、シーガル社がヴィーナス175の酷似品を生産していることについて、いくつかの記述があるようです。が、仙人は次のTさんのブログに書かれた説を信じたい!?と思っています。詳しくはブログを読んでいただきたいのですが、超簡単に、、、 【1960年頃、スイスのヴィーナス社がクロノグラフムーヴメント「ヴィーナス175」の生産設備の売却を望んでいました。どうもロシアは「ヴィーナス150」のライセンスを購入していたため175には興味を示さず、中国が直接スイスから購入したらしい。】とのことです。1962年にロシアと中国が買ったとか、ロシア経由で中国が買ったなど、いくつかの説があるようですが、ここから先の真実の解明は詳しい方にお任せしたいと思っています。

28_macaichrono_04  

 金メッキ、ブルースチールは価格以上

 

 

つまりこのムーブは、中国でありそうな模倣品やパチモノといわれる部類ではなく、ヴィーナス175(Venus175)の血を引く、正統派?!だということです。磨きや作りにしてもいろいろあるかとは思いますが、安価なことを考えると、価格以上の仕上がりといえなくもないでしょう。ちなみにヴィーナス175については、こちらを参照ください。ブライトリング仕様なので、ブリッジの形状などが本時計とは異なりますが、たしかにヴィーナス175です。もうひとつワンプッシュとして、こちらで紹介したものはピラーホイールの柱数が違いますが、ブリッジ形状などは近いと思います。

この時計は時計マニアの方々の熱意の象徴でもあり、またスイスヴィーナス社の高級クロノグラフムーブメントの中国コピーという興味深いストーリーを持ちながらも、きわめて実用的でリーズナブルな価格の一本だと思います。

※関係者の方々、間違いや失礼があればご指摘ください。訂正修正いたします。

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