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2009年6月24日 (水)

時計コレクション (26) Seiko Bellmatic(Cal.4006A)

No.16のCitizen Alarm、腕時計ではないがNo.24のChandler Alarmに続いて3つ目のアラーム時計は、セイコーのベルマチック(Bellmatic)。愛称は「ビジネスベル」。 既に紹介した2つが、裏ブタに付けられたピンをハンマーが叩くのに対して、ケース内側に付けられた音環を叩くので非常にかわいい音がする。

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 エラの張った「目玉焼き」

 

 

 

国産初のアラーム腕時計はシチズンだが、自動巻きとしてはこのセイコーのベルマチックが国産初となる。1967年に製造が開始され、10年以上も作り続けられたロングセラーモデルで、当時はかなり人気商品だったようだ。この時計は、2時位置のボタンを押し込んだ状態でリューズを回すとアラーム用のゼンマイが巻き上がる。その状態でリューズを引いて回すと、時間セットのインナーベゼルが回転します。インナーベゼルの印を鳴らしたい時間にセットし、プッシュボタンを引き出しておくと、所定の時間にベルが鳴るという仕組みです。ゼンマイをフルに巻き上げた状態で約12秒(実測値)鳴ります。複雑な機構ではあるが、クロノグラフなどに比べると基本輪列との係わりが少ないので、意外に故障が少なかったとされています。

他のアラーム腕時計が2時位置、4時位置にリューズを持つものが多いのに対して、ベルマチックは2時位置にボタンだけ、3時位置にリューズというのが特徴的です。2時4時の方がバランスがいいようにも思えますが、回転操作を必要とするものは、すべて3時位置のリューズで行なうので、使い勝手もいいですし、形もスマートだと思います。まぁ好みではあると思いますが。

はじめにも書きましたが、鳴鐘方法もシチズンのものと異なります。シチズンのように裏ブタのバーを叩くアラーム時計は「こおろぎ」にたとえられるようなやや低めの音ですが、この時計はケース内側に付けられた半周ほどの音環を叩くので、比較すると高音の少し上品な?心温まるような音がします。(どちらが起きやすいかは別かもしれませんが、、、)

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 半周ほどの音環とハンマー(右)

 

 

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 27石のムーブは5.5振動

 

 

またこの時計(4006-6020)の特徴は、何といってもそのデザイン、形状でしょう。インパクトあります。ベルマチックのケース形状には、丸型、角型、トノー(樽)型、三角形変わり種型など多種あるようですが、この時計は特徴的なエラの張り出したクッション?型。ブレスがほとんどケースに付けられている感じなので、いわゆるラグがない。きまま仙人の時計仲間の間では勝手に「目玉」とか「目玉焼き」とか呼んでました。ケース形状とドーム型の風防がそれっぽかった?からだと思います。アラームのセットを内周回転式ダイアルで行うのも特徴だ。かなり大胆な形ではありますが、仙人は何となくかわいくて大好きです。ベルマチックを物色しているときも、絶対この「目玉焼き」が欲しいと思ってました。

ムーブメントはCal.4006A、振動数5.5振動/秒(19,800振動/時)。アラーム用ゼンマイは手巻き、時計は自動巻/手巻不可、諏訪精工舎製。 ベルマチックのムーブとしては他に4005があるが、4005は日付のみで4006は日付と曜日表示付です。17石、21石、27石があったようですが、この時計は27石です。また2時位置のボタンを押すと日付が送れます。曜日は午後9時半と午前1時の間を往復させることで行うようです。またセイコーにしては珍しく英語のみの曜日表示だ。製造は1969年12月。トンボ本によると1967年の発売時、27石SS側は18,500円とされています。

残念ながらこの時計は日付表示がずれてしまっています。(針を外さないとなおせないので修理してません。) そのためジャンク扱いで格安で譲ってもらいました。それ以外の機能は問題ないのですが。。。

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 2時位置が鳴鐘ボタン
       (ベルボタン)

 

 

 

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コメント

今日、ジャンクの27石ベルマチックを4000円で手に入れました。前から気になっていた時計ですが使い方わからず調べていたところたどり着きました。とても参考になりました。ありがとうございます。私のベルマチックも日付がずれてしまっていますが、修理可能なんでしょうか。大事に付き合っていこうと思います。

投稿: くぼ | 2012年11月 6日 (火) 02時42分

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