時計コレクション (24) L.Jeanbourouin & Cie Chandler Alarm
トラベルアラームといわれる旅行用の目覚し時計は、60年代くらいにもう少し大きいもの(写真参照)がいろんなメーカーから販売された。きまま仙人のうちにもひとつあった。当時のもののメーカーは覚えていないが、リズム時計やオリエントなどよく見かける。今回の時計はアラーム腕時計のムーブメントを使った、トラベルアラームのミニチュアのようなかわいさがある。
大きさはかなり違うが、オリエントのアラーム時計
ケースのサイズが40mm×48mm×14mm。金張りのスチール製に皮が貼ってあり、色合いといい大きさといい、なかなか上品で気に入った。とにかくこの大きさがいい。メーカーは、ムーブメントにはL.JEANBOUROUIN & CIE と銘があるが、調べてもこのブランドはよくわからなかった。文字盤にはChandler Alarmと記載されている。「Chandler」とは辞書で調べると、人名、地名、雑貨商。会社名かモデル名なのだろうか? もしご存知の方がいらっしゃれば、ぜひ教えていただきたい。(※やはり会社名のようです。)
たたむとこんなにコンパクトに
ムーブメントはNo.16で紹介したシチズンのアラームと比べると、非常によく似ている。17石、18,000振動/時(5振動/秒)。シチズンのアラームと同じように裏ブタには放音孔がなく、ハンマーが叩くピンが付いている。裏ブタが共鳴板を兼ねる一重裏ブタ式である。スイス製でおそらくA.S.(A.Schild)かA.S.のコピームーブだと思われる。アラーム音もシチズンのものとよく似ている。外国製のムーブメントの資料はクロノグラフくらいしか所有していないので、これ以上のことはあまりよくわからない。m(_ _)m
裏ブタが共鳴板を兼ねる
放音孔はない
年代ははっきりとは特定しずらいが、60年代後半か70年代前半くらいか?古い割にはムーブメントの程度は悪くない。高級品ではなさそうだし、研磨や装飾もほとんど何もされていないが、当時の実用品としての機能美が感じられる気がする。
あと面白いのは2つのリューズが下側に付いている点だ。通常のアラーム時計と同じで、ひとつ(5時位置)が通常のリューズ、もうひとつ(7時位置)がアラーム用ゼンマイの巻上げとアラーム時刻の設定、アラームのON/OFFを設定する。
今では携帯電話でもアラーム機能を持っているし、かなりのデジタル腕時計にはアラーム機能がついている。こういう製品はとっくに作られていない。時代移り変わりのの中で、消えていった製品である。しかし、当時こういう携帯目覚まし時計は、金銭的余裕のあるビジネスマンなどの所有欲を満たしてくれる、羨望のアイテムだったのではないだろうか?
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