映画「重力ピエロ」観てきました。
今日はサイフを忘れて出勤。ちょっとだけ困りました。。。
さて昨日観てきたことだけは書きましたが、映画「重力ピエロ」、なかなか良かったですよ。
今年初めに伊坂幸太郎作の原作の小説を読んで(その時は映画化の話は知らなかったのだが、、)、映画の方もぜひ見たいと思っていた。どうなっただろうかと期待半分、不安半分だったが、正直良くできていた。小説の世界感がよく出ていたと思う。
ストーリーの細部は省略されていたり、ストーリーも少し変えられてはいたが、本当にうまく作っていたと思う。なかなかいい映画だった。最後の葛城との決着をつける場面は場所や設定が原作と違うので、引き込まれる感じがあった。なぜ逃げないの?抵抗しないの?という若干の疑問はあったが、、、また原作を読んでいたのでストーリーはわかっていても、兄弟が重要なことを終えた翌朝、父と3人で語り合うシーンは思わずホロっとした。
なにより配役がイメージによく合っていた。泉水役の加瀬亮、春役の岡田将生は見事に小説の世界を演じていた。父役の小日向文世、母役の鈴木京香もまずまず。気になったのは、まず夏子さん。女優さんがどうのこうのではなく、きまま仙人が小説から描いていたイメージとはかなり違ったキャラに表現されていた。もう少しきりっとした印象なのだが。。。少しなよっとした感じだった。もうひとり、無くもないとは思ったが、やはりイメージが違ったのが葛城役の渡部篤郎。もっと根っからの悪役でよかったような。これは決着のシーンと関係した配役だったのだろうか?
家族の絆、信頼感は訴えて来るものがありました。そういう意味ですごくいい映画に仕上がっていたと思う。一方で、小説を読んでいるからさほどは気にならなかったが、ミステリーとしての謎解きの面白さは押さえられていたかも。放火。落書き、遺伝子、、、のつながりの描写、展開、謎解きの面白さはさすがに小説の方が格段にあったように思う。
逆に言うと、遺伝子関連の説明に関しては、さらりとうまく処理されてました。映像での説明、時間の関係もあるだろう。仙人はあれくらいでよかったと思う。そのため逆にミステリーとしては不十分になったとしても。もともと小説でも、犯人は比較的前半でわかるような書き方だったし。
あと、脚本がなかなかよかったと思う。自然なせりふの中に説明を入れるのはなかなか難しい。遺伝子の説明も、グラフィティアートの説明も、夏子さんの説明も、癖!の説明も、、、そういう意味でもストーリーのいくつかの変更や登場人物が減っている点も、説明が必要な複雑なお話を、わかりやすくするためだったと思われるので、非常に好感が持てた。
最後に大したことではないが、不満を2つ。ひとつはグラフィティアートが今ひとつインパクトにかけた。もっと斬新な絵を描いて欲しかったかな。もうひとつは小説でも同じだが、葛城との決着の後についてのこと、賛否両論あるとは思うが、仙人はこの結末が好きではない。
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