ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画
昨日は西洋美術館の「ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」展に行ってきた。
目が覚めたら予想通り雨。風も強そう。即座に朝ランは諦め、美術館に行こうと、、、
実は前日の土曜日、たまたまTVでルーヴル美術館展の紹介番組をやっているのを見かけた。会期を確認すると、6月14日まで。行っておきたい展覧会だったが、考えてみるともう数日しか候補日がない。そんなわけで雨だったので即座に決定。ただ、もしすごく並んでいたら阿修羅か都美術館の日本の美術館名品展でもいいかな?と思ってとにかく上野へ。。。
予想通りすごい人だった。きまま仙人が西洋美術館に着いたのは9時10分頃。こういう人気展は朝一、しかもチケットは事前に買っておくのが鉄則。若干のリスクは考えたが、6月14日までには必ず行くだろうと、朝e-ticketで急ぎ購入しておいた。それでも既にチケットを持っている人の列も、動物園側の角をまわりさらに50mくらい? 一瞬悩んだが、この数だったらそうは待たないと思い最後尾に並ぶ。予定より少し早く列は動き始め、開館時間の9時半くらいには入場することができた。全体的人が多く、ゆっくり見ることはできなかったものの、昨年行ったフェルメール展に比べるとまだ見やすかった。全体的に少し高めに掛けられているらしい。あと、他の展覧会に比べて子供が多かった。一部の子供には、ちょっと、、、と思ったが、比較的お行儀のいい子が多かった気がする。近代絵画(特に抽象絵画やキュービズムのようなデフォルメが激しいもの)に比べて、17世紀の絵画の方が子供にはわかりやすい部分もあるのだろう。子供がこういう展覧会を見ることはいいことだと思う。ただし、他の人の迷惑にならないように。前半の1,2室はかなり見づらかったが、徐々に分散し、後半はおばさんたちも疲れてくるのか移動が早い。結構ゆっくり見られた方だと思う。
さて内容だが、仙人は期待以上に良かった。逆に言うと見てはおきたい展覧会だったが、17世紀絵画にそこまで期待していなかった?(失礼!) 実際、レンブラントやフェルメールという超有名画家の作品もあるが、17世紀という時代は仙人には馴染みが薄く、ほとんどの作者を知らなかった、またはあまり良くしらない画家だった。それでも写実的な描写は技量の高さや緻密さがよくわかる。自然科学の発達もあったのだろう、筋肉の描写や肌の感じもすばらしかった。また絵の大小、有名かそうでないかにかかわらず、はっとするようなインパクトを感じる絵がいくつもあった。いくつか気になった絵にコメントしたい。
フランス・ハルス「リュートを持つ道化師」:赤の囚人服?のような派手な衣装の道化師の表情にはっとさせられた。絵画としていい顔をしている。髪の様子などからは動きが感じられ、これが17世紀の絵なのかと少し驚いた。人物画はもっと静的ですましたものという先入観が、、、
もうひとつフランス・ハルスの原作で「ルネ・デカルトの肖像」:そうですあの「我思う、ゆえに我あり」のデカルトです。仙人は数学か何かの教科書で見た記憶が強いです。いや、会えてうれしかったという感じでしょうか。
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「大工ヨセフ」:光の使い方は確かにうまい。ろうそくで照らされたキリストの顔の浮き上がり方や手の透け具合。実物を見に来て良かった1枚だ。
カルロ・ドルチ「受胎告知 聖母」:マリア様の頭部だけの小さな絵なのだが、何か引き込まれるような感じを受けた。よくわからなくても、いい仏像を見たときの厳かな感じや安堵感、無我感などに通じるような思いがした。ちょっと言葉にできない雰囲気のある絵だった。
ヨアヒム・ウテワール「アンドロメダを助けるペルセウス」:よく知ったギリシャ神話の一場面。左に官能的なアンドロメダが魅力的で、足元には骸骨、貝殻などが散乱。空にペガサスに乗ったペルセウス、海上に怪物(これもなかなかユニーク)。 大胆な構図も面白く、とても良かった。
ペーテル・パウル・ルーベンス「ユノに欺かれるイクシオン」:主題に関してはまったく知らないのでわからないが、女性の血管が透けるような肌は感動した。
レンブラントの肖像画、フェルメールの「レースを編む女」:絵にけちをつけるつもりは全くないが、他の絵の方が印象に残ったものが多い。レンブラントについていうと川村美術館の「広つば帽を被った男」の方が仙人は好きだし、フェルメールについても昨年のフェルメール展で見たものに比べると小さいこともあり、印象薄だった。
作者も作品名も覚えてない肖像画(複数):表情は微妙?な絵も多かったが、服の模様特にレースの表現はすごい。ただもう少し服の皺に合わせて模様も皺になっていいと思う絵も。
残念というか少しわかりにくかったのは、この頃の絵は聖書や神話、物語の一場面を表したものが多い。知っているものはわかりやすいのだが、知らないものはやはり伝わりにくい。あといろいろなものの象徴として書かれている物、骸骨や天球儀、砂時計、ワインやニンフ、、、多少の知識はあるつもりだが知らないものも多い。このあたりはもう少し解説も欲しかった。図録や音声ガイドでは触れられていたのかも知れない。もう少し勉強しないとダメかなぁ。。。それでも全71点楽しく見させてもらいました。
最後にTVでも紹介していたショップのチョコレート(6箱入り600円)を紹介したい。片面に絵画(6箱なので6枚)、片側にLOUVREの各文字の入った小さな6箱セット。このUとRは手元に残して残り”LOVE”を大切な人に渡すのだそうだ。なかなか粋だとは思うが、かなり気恥ずかしい。
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