ノーブルスタイリングファミリーセール

金曜夜、ノーブルスタイリングのファミリーセールをのぞいてきた。人に紹介してもらって原宿のマンションの一室。こういう場所でのセールは初めてだったので、初め入り方がわからず、このまま帰ろうかとも思ったが、電話をして確認。入ってみると社長の葛西さんらが丁寧に対応してくれた。

目的は、雑誌でしか見たことのない新興ブランドなど。nubeo（ヌべオ）、deLacour（ドゥラクール）、GIULIANO MAZZUOLI（ジュリアーノ・マッツォーリ）、MAGELLAN（マゼラン）、FAVRE-LEUBA（ファーブル・ルーバ）など

正直、興味はあったが半分冷やかし気分だったが、思っていた以上によかった。

まず、各ブランドについてショートコメントしたい。

MAGELLAN（マゼラン）：
北半球（南半球版もあるらしい）を形どった半球形が特徴のマゼラン。雑誌で見た時は、厚み（高さ？）からして機能的とは思えないし、洒落で作ったものかだろうくらいにしか思っていなかった。が、実物は美しくて、なかなか良かった。半球形の風防は、サファイアグラスを高精度にくりぬいたもので、歪みもない。球面に沿うように曲がった針もユニークで、通常の三針の他に２４時間の太陽針がついている。周囲の経度をプリントしたメモリ部はシェル、これがなかなか合っていて美しい。正直欲しいと思った。話のタネにもなるし。めちゃくちゃ高級な部類の価格付けではないので、プロモーション次第では売れるのではないかと思う。でもきまま仙人の嗜好からすると、ん十万を出すのなら他のものを選んじゃうかなぁ～。

GIULIANO MAZZUOLI（ジュリアーノ・マッツォーリ）：
圧力計からデザインしたというイタリアのブランド。シンプルなデザインに２時位置の大きなリューズがアクセントとなっているマノメトロシリーズ。仙人が気になったのはやっぱりクロノグラフ。スタートストップボタンが８時位置、リセットボタンが１０時位置と左側にあり、シンプルなケース形状を邪魔しないようにフラットに近い押し込むようなボタン。インダイヤルも２時位置に３０分積算計、８時位置にスモセコとリューズからの斜めラインに並ぶ。デザインは非常に気に入った。新しい割にはシンプルでてらいがない。ムーブはデュボアデプラッツ製のようなだが、裏スケになっていないので見ることはできない。裏スケできれいなムーブだったら買っていたかも。今回一番気になったモデルだった。

FAVRE-LEUBA（ファーブル・ルーバ）：
歴史あるブランドらしいが、日本ではなじみがない。マーキュリークロノグラフなどを見せてもらった。存在感のある大きさ、特徴あるリューズ、ギョーシェのような文字盤など、正直ものは悪くないのだが、仙人には今ひとつ訴えて来るものがあまりなかった。ビッグサイズ、人とは違ったブランドの時計を探しているのならいいのかもしれない。これもムーブはデュボアデプラッツ製のようだ。

nubeo（ヌべオ）：
クラゲをイメージしたモデル、ジェリーフィッシュ。非常に凝った時計だった。たとえばセラミックベゼル、ローターの装飾、水中メガネ？型の裏スケの開け方、裏面のシェイプ、いくつものパーツを組み合わせたケース、ネジ一つ一つも気が使われている感じだ。そういう意味では非常に良くできている。デザインはスポーツ系。いい時計だ。ただ機械はETA。特に面白みのあるものではない。問題は価格。いい時計なんだけど、この手のデザインにいくら出せるか？　オンでは使いにくいし、使うシチュエーションとか合わせる服とか考えると、仙人はクロノでせいぜい３０万円までかな？

deLacour（ドゥラクール）：
仙人がコメントするタイプの時計ではない。存在感のあるケース、大きさ。２つ時計をくっつけたようなバイクロノや宝石付きの宝飾系。こんなもんかくらいであまりよく見ていない。でもこういうのが好きな人には受けるじゃないかな？

その他にも黒ピンのクロノや、クォーターリピーター、最近見かけなくなったアイクポッドなどいくつか面白いものがあった。初めに書いたように、今回は冷やかしのつもりで、まったく買う気がなかった。が、ファミリーセールということもあり、かなり定価より安かったので、GIULIANO MAZZUOLIのマノメトロのクロノとMAGELLANは正直買ってもいいかなぁと悩んだ。どちらももう一歩背中を押すものがあれば。。。GIULIANO MAZZUOLIは裏スケはMUSTか。仕上げのいいムーブを見せてほしいものだ。MAGELLANは値段設定が高いとは思わないが、やっぱり買うにはまだ高いなぁ。。。

いずれにせよ後ろ髪惹かれる思いだったが、なんとか我慢して帰ってきた。やはり仙人はデザインよりもムーブメント指向なので、機械としての面白さ、新しさが前に出ていないのが購入まで踏ん切りがつかなかった理由だろう。が、新興ブランドを見るのは非常に面白かった。今後これらのブランドがどういう風に成長していくかも楽しみに見ていきたい。