時計コレクション (14) Seiko Chronograph Speed-Timer[クロ馬](Cal.6138)
セイコーの自動巻クロノグラフには諏訪精工舎の61系と亀戸(第二精工舎)の70系があるが、61系には2つ目の6138と1つ目の6139がある。どちらも6振動、ピラーホイール、垂直クラッチ方式、フライバック機構はない。二ヶ国語対応デイデイト表示。逆に両ムーブの違いは、インダイヤルの数以外に、日付送り機構の違いと、6138は手巻可に対して6139は手巻不可という違いがある。その後61系はクォーツによる機械式時計の衰退期から復興後クレドールなどの6S系へと発展する。
ピラーホイールが確認できる
さて今日の時計は2つ目のCal.6138Bであり、モデルとしては6139の後継機にあたる。製造年は1977年3月。型番は6138-0040、21石。3時位置に30分積算計、9時位置に12時間積算計が付く(ムーブが90度回転しているツノタイプなので横目になっているが、通常は縦2つ目のムーブメント)。この時計は外観はきれいだが、残念ながらローターなどに腐食があり、あまりいい状態ではない。曜日は英語とスペイン語となっている。ベゼルにはオメガのスピードマスタのようなタキメータがつく。
<Seikoのクロノグラフの系統>
手巻 Speedtimer 他
57系 - 61系 (諏訪)
11.クラウンクロノ参照 6138[2つ目/手巻可]
6139[1つ目/手巻不可]
・自動巻
・PW/Vertical Clutch
・フライバック機構なし
・デイデイト表示
- 70系 (亀戸)
※別途紹介
※6138には6138A(23石)6138B(21石)がある。同様に6139はA(21石)、B(17石)である。
※グレードとしては、積算計数、石数、手巻可などを考えても後継機の6138の方が上だったと考えられる。
バルジューやビーナスのクロノグラフムーブメントに比べると、各パーツが薄く、面取りや磨きもない。コストを下げることがより優先された結果だと思うが、美しさや耐久性ということを考えると見劣りするのは致し方ない。実際セイコーのクロノグラフは(クロノグラフ機構が)よく壊れたといわれている。ただ、機能的には非常によくできており、今でこそ多用されている垂直クラッチを使っているし、曜日の表示は2ヶ国語対応で、リューズの1段引きで上に回すと日付が進み、下に回すと曜日が進むようになっている。ちなみに2段引きで時刻合わせである。
この時計はクロノグラフ本のバイブルGerd-R Lang氏らの「Chronograph Wristwatches: To Stop Time」にもちゃんと紹介されている。
セイコーのクロノグラフ(諏訪、亀戸に限らず)には「5Sports Speed-Timer」、「Speed-Timer」、「Chronograph」という3つの表記が多い。(タイムソナーなどは除く) この違いは「5Sports Speed-Timer」が一番古く69年から70年代前半、「Speed-Timer」だけなのが70年代中から後半、そして「Chronograph」だけなのが輸出用モデルに多い表記らしい。
70年代の国産時計は面白いデザインのものも多く、少しレトロ感もあったりして、ファッション的にも今でも十分通用するものが多い。この時計も最近のデカ厚傾向にも負けない存在感を持ち、黒の文字盤に真っ白な針が引き締まっていていい。ちなみにクロノグラフ針は黄や赤(オレンジ)のものが確認されている。それに対してインダイヤルのデザインは少しレトロか。。。70年代の国産クロノの良さを持ったお気に入りの1本である。欠点は、、、重いこと!かな。
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コメント
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投稿: SaundraGamble | 2012年10月 4日 (木) 02時53分