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2009年3月 4日 (水)

時計コレクション (11) Seiko Crown Chronograph (Cal.5719A)

今回は国産腕時計初のクロノグラフを紹介したい。1964年の東京オリンピック(の公式計時担当)を記念して発売されたワンプッシュクロノグラフ。クラウンをベースにした積算計のないクロノグラフなので、クラウンクロノグラフとも呼ばれる。クオーツ普及以前の国産クロノグラフで、唯一ピラーホイール、キャリングアーム(トランスミッションホイール伝達方式)のクロノグラフ。国産時計史において歴史的な一本といっていいと思う。

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東京オリンピック記念としては3種のモデルが発売された。このクロノグラフの他にワールドタイム、このクロノグラフにさらにカウンタ(日付表示としても使える)と分積算計(スモセコと同軸)のついた通称カウンタークロノ(Cal.5718)。カウンタークロノはオリンピックや国体関係者のみに販売されたもので、今や幻のクロノグラフと言っていい。きまま仙人も諏訪の時の科学館など、数回しかお目にかかったことがない。3種とも64年製造のものは裏ブタが聖火マークとなっている。仙人所有のクロノグラフも薄くなってしまったが、かすかに聖火マークが確認できる。(仙人のは64年10月製造、※シリアルNo.の1桁目が西暦の1桁/2桁目が製造月を示す。) ちなみに65年以降のものはタツノオトシゴマーク。これは64年が辰年だったことに由来するらしい。

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 カウンタークロノ
 左側のボタンの他、0時で自動的にカウントアップする

 

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ムーブメントは Cal.5719A 。クラウンがベースとなっており、手巻き、5振動(18,000振動/時)、21石。国産クロノグラフの特徴だが、スモセコのような永久秒針はない。4番車が6時位置にずれていて、パワーホイールとして機能している。リューズ側3時位置にピラーホイールがあり、パワーホイールとセンターのクロノグラフランナーの間(やや左3時側)にキャリングアーム、カップリングホイールがある。この構造自体はバルジューやビーナスと同じではあるが、バルジューやビーナスのムーブと比較すると、各パーツは薄っぺらく、研磨も面取りもほとんどされていない。どうしても安物感は否めない。当時の国産時計としては仕方ないところかもしれない? 積算計がない分、構造そのものはシンプルになっている。また写真のプラスチックのベゼルは手で回すことができ、簡易積算計を兼ねている。一応スポーツモデルということになっており、スナップ式の裏ブタだが、30m防水仕様である。

のちにカレンダー付きの Cal.5717A(下右写真参照) となり、クラウン(ワンプッシュ)クロノとしては、ムーブとしては2種、モデルとしては3種(初代プラベゼル、2代金属板貼付ベゼル、3代光沢メッキ金属ベゼル)といわれるが、仙人が知るだけでも第2世代は複数のバリエーションがある。ちなみに発売当時の価格は8,500円だったようだ。

11_seikocrownchrono_2nd_2 11_seikocrownchrono_3rd_2

 
 

 


左2nd、右3rdモデル
2nd、3rdには5719/5717両方確認されている

この時計は裏ブタの摺れ具合に比べて、文字盤や風防、ベゼルが非常にきれいだ。おそらくは新しいものに交換されたと思われる。ただ確証はないが純正品だと思われる。

<Seikoのクロノグラフの系統>
  オリンピック記念モデル 57系 諏訪精工舎
  
    5719[ワンプッシュ 日付無/積算計無]
    5718[カウンタークロノ 日付表示を兼ねられるカウンタ付
        /2ボタン/スモセコ・分積算計同軸]
    5717[ワンプッシュ 日付付/積算計無]
     
    ※すべて 手巻、PW/Carrying Arm
    ※自動巻きクロノグラフになると、61系/70系に移行する。
    

仙人にとって(時期のわかる)もっとも古い記憶が東京オリンピックに関係するものだ。(歳がばれてしまう!) 東京オリンピック自体の記憶はほとんどないが、当時の日本にとって(仙人にとっても?) 非常に大きなイベントであったことは間違いない。その効果か、このクラウンクロノはかなり売れたらしい。東京オリンピックは新しい時代が始まった節目であったのではないかと思うが、腕時計においても、この一本から国産クロノグラフの歴史がスタートした記念碑的なモデルである。余談ではあるが、、、今また東京にオリンピックを招致しようとしている。賛否両論あるものの、仙人は基本的に招致賛成である。もちろん予算、内容については十分検討してほしいが。

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※カウンタクロノ、2ndモデル、3rdモデルの写真はきまま仙人のコレクションではなく参考として引用

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