時計コレクション (2) Zenith Chronomaster(Cal.410 el-primero)
機械式クロノグラフ好きなら、誰でも一本ほしいのがエルプリメロ搭載の時計ではないだろうか? 仙人も憧れの一本で、(仕事上の)ある目標が実現したら買おうと心に決めていた。が、ゼニスがLVMHに買収されたことにより日本の販社も変わり、2001年4月から10万円も値上げされるという発表がされた。(ちなみに翌年さらに19万円値上げされ、その後もナタフ(ゼニス社社長)の高級化路線で値が上がり、生産中止になる前はなんと定価92万円(税抜)にもなっていた。)10万円の差はとても大きいと思い、目標実現前にもかかわらず、正規扱いだがかなり(今思えば破格の!)値引きしてくれるアメ横のお店で購入。(ちなみに現在このお店はゼニスを扱っていない。) そのため目標達成まではと、時計仲間にも買ったことも言わず、引き出しの中で1年間使わずに取っておいた。
しか~し、1年経っても目標は達成されずTT;、、、、ただ別のうれしい事があり、理由をそちらにすり替えて1年後から使い始めた。(影の声「ずるい!」) 機械式時計は使わないと良くない、なんて自分を納得させて。実際当初の目標を達成できたのは、購入から4年たった後だった。そのときはその時で、別の時計を買ったことは言うまでもない。^^v 今でも最もよく使用する1本である。何といっても10振動の美しいエルプリメロを裏スケから見ることは本当に喜びである。今思えば値上がりする前に安く買っておいて本当にラッキーだった。
Cal.410(el-primero)、31石、10振動、クロノメータ認定 、両方向巻上式自動巻機構、部品点数は350以上。テンプは1秒間に5往復延々と動いているのだ。これだけでもすごい。オーソドックスなSSのラインドのケースに黒文字盤、シルバーの針という上品な顔で、濃茶のクロコのベルトがよく似合う。表示はムーンフェイズ、トリプルカレンダー、タキメーター。フル機能といってもいいくらいだ。ただ夜光塗料が塗られていないので、暗いと時間が読めない。また秒針停止機構が無い。あと時刻あわせがリューズ一段引き、日付あわせがリューズ二段引きと、通常とは逆なのが変わっている。クォーツショック、米国企業による買収などで一時は生産中止、しかし機械式時計復活とともに1981年に製造再開された。生産中止中、親会社の指示に反して図面や金型を屋根裏部屋に隠していたなど、初の自動巻きクロノグラフの発表競争とともにストーリーも多い。
このエルプリメロは1969年に発表された。(この年はオメガのスピードマスターが初めて月に行った年、セイコーがクォーツ腕時計アストロンを発売した年、という時計界にとってすごくエポックメイキングな年だった。) この年に同じく世に出たブライトリング連合のCal.11(Chronomatic)とセイコーのCal.6139との3つは、初の自動巻クロノグラフムーブメントを競ったわけだが、どれも設計思想が全く違っていて面白い。エルプリメロはピラーホイール、カップリングクラッチ、スライディングギアと王道の作りで、一体型センタロータの自動巻ということでは、現在でも全く色あせていない。(※他の2つもいずれ紹介したい。)
エルプリメロは一時ロレックスのデイトナ(振動数が8振動に落としてあるなどロレ仕様。)やパネライ、タグホイヤー、パルミジャーニなどにも搭載されていたが、個人的にはゼニスのクロノマスタが一番合っているように思う。何と言っても製造元だし、トリカレムーンフェイズだし、価格的にも一番安い(安かった)し。
ちなみにゼニスの2001年か02年の豪華なカタログ「COLLECTION」の18ページに、この時計をした半身の写真が掲載されているが、裏返し(ネガ反転?)に焼かれているという有名なミスがある。
ただ、今のゼニスの現行モデルの派手なデザインは、ビジネス的には成功なのかもしれないが、個人的にはあまり興味ない。
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コメント
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投稿: Freida30Cameron | 2012年2月18日 (土) 21時56分