高尾山人気-観光地?奇跡の山?パワースポット?
最近高尾山が大人気らしい。何でも今度るるぶの高尾山版(特集?)が出るとのこと。ロープウェイは休日は1時間待ちらしいし、山とは無縁の妊婦や若い女の子たち、外国人観光客も来ているようだ。まぁロープウェイを使えば、「登る」というほどの山ではないのだが。ある種の観光地になってしまっている。またパワースポットとして気がもらえる?とのこと。妊婦さんが来るのもそういう部分なんだろう。このあたりは仙人のコメントする部分ではないので、他のサイトに譲りたい。ちなみに仙人は、もうかなり昔に2度ほど登ったことがある。もちろん山屋なのでロープウェイは使っていない。
火付けは例のミシュランガイドに富士山とともに紹介された(三ッ星)ことがきっかけらしい。が、山屋にとってうれしい部分と、どうでもいいというか逆に自然に悪影響がなければという危惧する部分と両方かな。若い人や今まで山に興味がなかった人が、山や自然、アウトドアというものに興味を持ってもらえるきっかけになるのであれば、それはそれでいいことだと思う。一方で大勢の、それも環境や自然の保護に意識の薄い人達が来ることは、正直不安でもある。
少しだけ、山屋として高尾山(599m)という山、あるいはその自然についてコメントをしておこう。ロープウェイはともかくとして、東京から気軽に初心者や家族連れが登れる山として、いい山である。ルートは高尾山口駅からでも表参道コース、びわ滝コース、稲荷山コースの3つがあり、どのコースも約1時間半くらいとのこと。ロープウェイ(472mまで上がれる)を使うとさらにバリエーションがある。他に景信山や陣馬山へ縦走するルートがあり、仙人も高尾山口から登り、相模湖の方に下山した。こちらは完全な登山コースである。展望も花もいい山で、花の百名山にも選ばれている。中腹には薬王院という由緒あるお寺もある。大阪の箕面とつながる東海自然歩道の起点でもある。低山とはいえ、いい山であることはたしかだ。残念ながら歩いたルートに関してはややあいまいで、どのコースがいいかはおすすめできない。ただ、景信山へ向かう縦走路は観光地ではない普通の登山ができたので、帰路にでも使ってもらいたいと思う。
また小泉武栄氏の「自然を読み解く山歩き」という本の中では、高尾山を東京近郊に残る奇跡の山として紹介している。低山にもかかわらず、植物の種類が非常に豊富なのだ。(高山の方が標高により環境が異なるので多くの植物が存在しやすい。が、高尾山奥秩父の2000m級の山をもしのぐ。) 何でも1966年の調査では、1598種とのこと。これは日本の全ての約30%の植物がここで見られるということであり、イギリス全土で見られる数より多い。特に稜線の南北でまったく違う植生を見せているとのこと。理由などは紹介した本やWikipediaなどにも少し書かれているので省略したい。
あれこれ取りとめもなくかいたが、とにかくミシュランガイド恐るべし、である。が、高尾山は確かにいいやまでも、こういうxxガイドなるもののブームに踊らされずに生きて行きたいものだ。
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