紅葉と大展望の餓鬼岳・燕岳山行記録(1)
今回幾つか候補があったが、最終的に餓鬼岳(がきだけ)-燕岳(つばくろだけ)を変則周回することにした。燕岳には15年前表銀座を歩いたときに訪れたことがあるが、燕岳(正確には北燕岳)から蓮華岳の間は未踏なので、まずは一泊二日で餓鬼岳をメインに考えてみた。合戦尾根から登ると白沢に抜けなければ二泊三日となってしまう。単純な往復も??だし、車で行くことを考えると、少しコースタイムはキツイが今回のコースとなった。コースと仙人の歩いたタイムは以下である。時間に余裕があれば、燕山荘でもう一泊すれば楽だろう。
10月11日(土)小雨のち曇り
豊洲=中房温泉(第一駐車場)6:48-中房温泉(湯原の湯)6:58-北燕沢出合8:26-西大ホラ沢出合9:08-東沢乗越9:52-東沢岳10:29-剣ズリ12:18-13:12餓鬼岳小屋(泊)-餓鬼岳周辺散策
10月12日(日)晴れ
餓鬼岳小屋-餓鬼岳-餓鬼岳小屋6:23-剣ズリ7:05-東沢岳8:34-東沢乗越9:07-10:34北燕岳11:30-燕岳11:38-燕山荘11:56-三角点12:32-合戦小屋12:41-富士見ベンチ13:00-第三ベンチ13:14-第二ベンチ13:29-第一ベンチ13:48-中房温泉14:05-14:10中房温泉(第一駐車場)
昨日も書いたが、紅葉、大展望、ご来光と秋を満喫できたいい山旅だった。
ホームページに詳細記録アップしました。
金曜のうちに車で中房温泉に入り仮眠。星がちらほら覗くくらいだったので、降らないことを期待していたが、翌朝はやはり雨。落胆から気乗りせずぐずぐずしていたこともあるが、徐々に天気は回復するとみていたので、予定より1時間出発を遅らせて、6時48分駐車場出発。登山届けを出し奥に進むと、温泉の宿舎?の前が東沢ルートの登山口になっている。少ししてつり橋を渡るといよいよ登山道だ。つり橋はネットで写真を見ていたものから、ずい分立派なものに変わっている。雨で下がぬかるんでおり、歩きにくい。
紅葉は思ったよりきれいだ。真っ赤な葉をつけた木々や渋い黄色の味のある木々が目に留まる。しばらくはそうきつくはない。樹林帯なので雨もそうは気にならない。ありがたかったのは、この時期の雨は冷たく寒い印象が強いのだが、手袋なしでも問題ない冷たさだった。しかし手袋をしていなかったことが後で仇に。ときどき10~15センチくらいのプラスチック板に「東沢登山道」と記されている案内板のようなものがあるのでルートは安心。ただ、木の根や橋が濡れていてすべりやすい。ちょっとした2メートル弱くらいの段差にかかった橋でツルッ! 一瞬手をついて何とか横受身は回避したが、頭とザックは靴より下に、、、慎重に足を下ろし立ち上がる。ザックとズボンが少し汚れた以外たいした影響はない? いや右手から血が、、、右の手の平、小指の付け根辺りに怪我をしていた。手をついた時だ。手を洗い、口で吸い出して消毒代わり? しばらく右手を少し上げ、脇で止血をしながら歩く。幸いしばらくすると血は止まった。しかしこれ以降、山行中右手の不自由さには泣かされることになる。
高巻きを越えて川原に出る。軽い徒渉や堰堤を乗り越えながら進む。荒れているとまではいかないが、一般登山道に比べると未整備で、ある意味面白い。雨で濡れているのと、右手を使いづらいのが厄介だ。ブナ平は標識に気がつかず?通過。左手の沢との合流地点で、おそらく北燕沢出合だろうとの判断し、しばし休憩。よく見ると控えめな標識が見つかった。もう少しわかりやすいものをつけてもらいたいとは思う。もやというかガスで曇った感じの中に、色づいた木々が美しい。ブナなどの黄色系が多い。さらにここから30分ほど沢を登ると、左手にいよいよ沢から別れ急登に入る取り付がある。ここが西大ホラ沢出合で、やはり控えめな?標識がある。東沢コースは、予想していたよりは標識やテープ/ペンキなどのマークがしっかり付けられていて、通行には問題のないコースだった。だが、最低限のルートをしっかり見極める力は必要だ。マークはわかりにくいところもあるし、靴が濡れるかどうかくらいの徒渉が何度か必要だった。(雨のせいで水嵩が増していたのかも知れない。)徒渉点を見極めながら進む必要がある。そういう意味では初級者にはやや厳しいと思う。
西大ホラ沢出合からは急登である。雨は止み一瞬陽が射したが、またすぐに雲に隠れ る。でも雨が止んだことで元気が出る。一部張り出した笹を払いながらのところはあるが、ルートは問題ない。ひとつ真新しい足跡がある。仙人の前にひとり登っている人がいるのか。。。いずれにしても静かに自然を感じながら一歩ずつ登る。振り返ると、見事な紅葉の谷が見下ろせる。思わず笑み!稜線が近づいてきた雰囲気が感じられ、ここでペースを上げる。登り甲斐のある急斜面だったが、なんとか9時52分東沢乗越到着。展望はまったくない。中房温泉からちょうど3時間くらいだ。
調子が良かったので、スタートの遅れを取り戻すべくそのまま東沢岳に向かう。樹林帯を250mほど登る。40分ほどがんばって、視界が開けると庭園のような稜線歩きとなり、少し行ったピークが東沢岳だ。ツツジ系か、真っ赤な背の低い紅葉した木とハイマツの緑のコントラストがすばらしい。そこに岩が加わって自然の庭園となっている。10時29分東沢岳到着。東沢岳には先客がいた。おそらく足跡の主だろう。今年還暦という年配の男性だ。考えてみると温泉から合戦尾根に行く人を除けば、今日初めて登山者に会う。仙人も長休止を取り、二人でしばし話し込んだ。南西側には、明日登り返す燕岳から続くどっしりとした山塊が。西側には野口五郎岳、その北に三ッ岳と裏銀座の稜線が。下には高瀬湖もエメラルドグリーンの色をたたえている。東側は浅間山か。少し南に目を移すと、八ヶ岳、富士山、南アルプスと連なる。北側はこれから進む鋭い岩の突き出たギザギザの稜線が続くが、剣ズリのあたりか?稜線から東側がガスでまったく見えず、餓鬼岳も望むことができなかった。唐沢岳は確認できたので、おおよその場所を地図から類推する。ここまでくれば、コースタイムであと3時間。少し気持ち的には余裕が出てきた。
続く。。。
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